[ クライム/倒叙 ]
赤い橋の殺人
シャルル・バルバラ 初出版: 2014年05月 平均:5.00点 採点者数:2人

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採点傾向
No.2 5点 2017/02/28 09:55
ぐいぐいと読ませるところはある。でも、全体構成とかプロットとかについては、テーマが同じである後発の『罪と罰』のほうがはるかに上。
なんといっても、あっちはエンターテイメントというジャンルに恥じない上等クラスの出来だけど、本書はそこまでには到達していない。
構成とか、いろんな面でかなりエンタメ小説として損をしている感じがする。ちょっと惜しいなぁ。
楽しめる面ももちろんある。あることをきっかけとした主人公の変化と、それに続く告白の章や、彼の後半の人生が語られる章は、まちがいなく読者を惹きつけるだろう。

とにかく、100年以上もの間、埋もれていたフランス作家、バルバラ(1817-66)の作品を、今こうして読めることは本当にすばらしい。

フランス版の『罪と罰』という帯の惹句が、ずっと気になっていた。
光文社古典新訳文庫って高いから買うのを躊躇していて、そのうちに忘れてしまっていた。先日、図書館でたまたま見つけ、即借りた。
そして1週間ほど積読していたら、なんと、蟷螂の斧さんが書評をアップされた。タイミングがピタリ。これにはびっくりした。

No.1 5点 蟷螂の斧 2017/02/19 17:27
裏表紙より~『19世紀中葉のパリ。急に金回りがよくなり、かつての貧しい生活から一転して、社交界の中心人物となったクレマン。無神論者としての信条を捨てたかのように、著名人との交友を楽しんでいた。だが、ある過去の殺人事件の真相が自宅のサロンで語られると、異様な動揺を示し始める。』~

1855年の作品で、「罪と罰」(1866)への影響があった作品かも?ということで拝読。共通点は主人公の思想が似ていること、貧しさからの殺人があること、そして苦悩といったところです。まあ比べてもあまり意味はない?。200Pの中編ですが主人公の幻想や苦悩は結構濃いめに描かれていました。本作や、初のミステリー長篇といわれる「ルルージュ事件」(1866)がフランス生まれであることが興味深かった。