[ 本格 ]
皇帝のかぎ煙草入れ
ジョン・ディクスン・カー 初出版: 2012年05月 平均:7.98点 採点者数:42人

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採点傾向
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No.42 9点 ねここねこ男爵 2017/10/19 12:27
シンプルかつ効果的な心理トリック。前例もあるようですが、世に知らしめたのはこの作品ではなかろうか。

あとタイトルも何気によいと思う。

No.41 8点 いいちこ 2016/05/17 18:33
ご都合主義的な展開が散見されるのは事実。
しかし、後世の叙述トリックにも通ずる前半部分の綱渡り的な叙述・伏線、些細な手掛かりから犯人特定に至る真相解明プロセス、明かされた真相の衝撃度が際立っている

No.40 6点 nukkam 2016/05/12 12:58
(ネタバレなしです) 1942年に発表されたシリーズ探偵の登場しない本格派推理小説で、使われたトリックをアガサ・クリスティーが絶賛したことでも有名な作品です。ネタバレになるのでどういう種類のトリックかは紹介しませんが、このトリックは別にカーが最初に考案したわけではありません。私が知っているだけでも3人の作家が本書よりも以前にこのトリックを使っていますが、不思議なことにその1人が他ならぬクリスティー自身。まさか自分でそのことを忘れてしまったのでしょうか?とはいえトリックの使い方とそれによる意外性の演出ではカーが断然優れており、クリスティーが感心したのもその辺かもしれません。ロマンスの行方も思わぬ方向へと流れていきますが、こちらはいささか唐突過ぎて私には理解できませんでした。男女の関係ばかりは論理的に解けないミステリーですね(笑)。

No.39 7点 青い車 2016/02/13 18:22
密室の王者カーが生み出した心理トリックものの傑作として名高い作品。トリックは新鮮で、初読のときは確かに感心しました。しかし、僕は作者のベストという位置づけには賛成できません。作品の出来云々での意味ではなく、テイストにカーらしさがほとんどないからです。やはりいい意味での泥臭さやオカルト趣味、不可能犯罪がこの作者の本領であり、変な言い方ですが本作は「すっきりし過ぎ」なのです。あくまで個人の意見ですが、やはりカー(カーター・ディクスン名義含む)の代表作には『三つの棺』『ユダの窓』『曲がった蝶番』などを推したいです。

No.38 9点 ロマン 2015/10/20 11:00
表題の通り「かぎ煙草入れ」が重要な殺人事件。これは巧い。ごく単純な事件を心理的な仕掛けで巧妙に騙してくる。短いながら、どんでん返しもあり楽しめた。カーと言えば不可能犯罪という印象だったので、どんな超絶技巧なトリックが仕掛けられているのかと期待していたところを良い意味で裏切られた。犯人は予想通りで驚きはないけれどトリックは予想外で別の意味で意外な展開だった。なるほど確かにクリスティが好みそうな推理小説。物語としても読みやすく冒頭から引きこまれた。特に男女の確執が迫真。ヒロインの男運の悪さには同情するしかない。

No.37 7点 夏男 2015/09/24 23:12
向かいの家に住むトビイと婚約したイヴだったが、ある晩、彼女と復縁を迫る
前夫ネッドが彼女の部屋に押し入ってくる。ネッドを帰らせようとするイヴだったが、
その最中、部屋の窓からトビイの父モーリス卿の殺害現場を目撃してしまう。
前夫を部屋に入れていたことを言えず、自らのアリバイを証明できないイヴは、
絶体絶命の状況に追い込まれてしまう。


トリックにまず驚き、それから間もなく手掛かりが大胆に示されていた
事実に気付いてまた驚く。真相を知る快感。これがミステリか!!
「ミステリは作者と読者の知恵比べ」という真理を、改めて思い知らされた。

No.36 8点 tider-tiger 2015/09/11 20:23
「このトリックには、さすがのわたしも脱帽する」
アガサ・クリスティ女史がこのように言っていたそうですが、このトリックを活かすための繊細で巧妙な筆致に女史は驚いたのではないでしょうか。
彼女は操られ易い人間だとかなんだとか言っておきながら、実は操られていたのは読者だった。
思いついてしまえば、多少書き方がまずくとも読者を驚かすことが可能なトリックもあれば、思いついたその先に、うまく書かなくてはならないという新たな課題を要求するトリックもあります。本作のトリックは完全に後者です。そして、自分はそのうまさに感心しました。読者に読み違いをさせるように仕向けた場面、会話が自然でうまい。故に埋伏の毒が成立する。
小粒感ある作品ですが、技巧的にはかなりのもの。再読必須。
けれん味たっぷり、大掛かりなトリックで読者を驚かす作家というのがカーのイメージだったので、良くも悪くも期待を裏切られました。

No.35 8点 クリスティ再読 2015/08/16 21:15
これはやはりクリスティの「死との約束」のオマージュとして書かれた作品なのではなかろうか。

ネタ以外にもいろいろとトリビアルな共通点が多すぎるので、おそらく間違っていないと思う(精神科医が関係者と結婚END。刑務所とか、情けない夫/婚約者が失敗するとか)。まあ、これだけあれば「わざと」だよね。表現者って「他人の作品に関心のない人」と「他人の作品が大好きな人」と二通りあると思うが、カーって明白に「他人の作品が大好きな」マニアタイプの作家だと思う。だからこそ、気に入ったクリスティの「死との約束」をベースにいろいろオリジナリティを追加して、より純化したかたちでこれを書いたのではなかろうか。でお遊び&クリスティに対する通信としてトリビアルな共通点を盛り込んだわけで、それに対するクリスティの反応はというと、どうも「脱帽」の件は資料的な確認ができないらしいんだが、まあこれ伝説でも「ありえた伝説」だからいいじゃないかと思う。

後発の強みもあってその試みは成功していると思う。みんな触れないけど、この作品のストーリー的に一番うまくできているのは、探偵役とヒロインとの恋愛感情が嫌みなく書けている点(ここらへんクリスティのロマンス志向をうまく取り入れているかもね。どうも他のカーの恋愛描写は取ってつけたみたいで嫌いだ)で、カーの個性(笑)ともいうべき中盤の弱さがカバーできている。

読みやすく、良くできており、シンプル...と良い点ばかりが目につく佳作なのでケナす気は毛頭ないのだが、本作がカーの一番人気とは、ちょっとファン気質も変ったのかな。

No.34 7点 了然和尚 2015/07/03 15:18
手がかりもよく示されて、無駄な登場人物もない、よくできた作品なのですが、私には物足りませんでした。クリスティーの「そして誰もいなくなった」、クイーンの「Yの悲劇」、クロフツの「樽」(これはちょっとこじつけ)カーの本作や「火刑法廷」と作家のベストと言われる作品にレギュラー探偵が出てこないのは偶然でしょうか? それぞれにでてこない理由が存在するのですが、本作ではフェル博士でも問題なさそう。フェル博士は「そうか 私はとんだ思い違いをしていたんだ」とは絶対に言わないので、探偵役が最初に「ロウズ家内部の犯行」と言わせたいための探偵変更か?

No.33 9点 斎藤警部 2015/06/02 18:47
セイガク(中学生)の時、その表題の異様な物々しさに惹かれ、ある種怖いもの見たさで手に取った一冊。
中身は決しておどろおどろしいものではありませんでしたが。。 見事に最後まで騙されました。クリスティ女史が脱帽したのも頷けます。 こりゃ自分が書きたかったでしょうなあ。
メイントリックは日常生活でチョイチョイ使わせてもらいました(えっ??)

No.32 8点 STAR 2014/09/02 20:22
裏表紙「このトリックには、さすがのわたしも脱帽する」とアガサ・クリスティを驚嘆せしめた…とありました。
このあたりから予想できそうなのにまんまとひっかかりました。

これだけたくさんの推理小説が出ている現在においても、そこまで古くは感じないですね。

No.31 7点 バルタン星からの使者 2014/06/06 20:21
伏線の隠し方が巧妙で見事。犯人も意外です。
ストーリーもサスペンス的な要素があって引き込まれました。

No.30 8点 sophia 2014/05/22 19:05
サスペンス的な面白さがあった。
「火刑法廷」よりこっちの方が好き。
もうちょっとイヴを絶体絶命に追い込んでもよかったかも。

No.29 7点 ボナンザ 2014/04/08 16:20
流石にクリスティが脱帽しただけのことはあります。
ちょっとしたトリックなのに、大がかりな機械トリックよりも衝撃的。

No.28 8点 アイス・コーヒー 2013/06/04 17:47
主人公の女性は窓から向かいの家で婚約者の父親が殺害されるところを目撃、しかし彼女の家には元夫が忍び込んだのでそのことを証言できず、彼女は容疑者にされてしまう・・・。
とてもありそうにない設定(ミステリなので当たり前と言えば当たり前ですが)ながら探偵役の心理学博士の推理は鮮やかで感動。
途中で犯人が分かってしまったが、それも本作の特長の一つかもしれない。もしかしたらこのコメントだけで犯人が分かってしまう方がいないかヒヤヒヤするくらいいくつもの事象に関する手がかりがちりばめられている。(単純で簡単という意味ではありません。)カーが人間の思考を考慮したうえで執筆し、読者に一泡吹かせてしまう、そんな作品だと思いました。

No.27 7点 ムラ 2013/03/14 01:04
(ネタバレあり)


綺麗に進む心理トリックで面白かった。なによりもタイトルがいい
いわゆる古典ミステリだからこそ映えるトリックだと思う。しかし、古典ながらも今も色褪せず輝いているトリック。
周りがトンチンカンで非論理的な争いをしてる中、探偵がバシッと推理を決める王道的ミステリ。
しかし、外国小説によくある罵り合いはやっぱり慣れない。
自分が読んだのは、旧約の井上一夫訳だが、かなり読みやすかった。とりあえず、読んでいてつっかえる部分は無い。

No.26 8点 メルカトル 2013/03/07 22:31
カーの作品の中では最も読みやすい部類に入るので、未読の方にも入門書としてお薦めできる。
がしかし、珍しく物理トリックではなく、心理的トリックを用いており、カーとしては異色の存在なのかもしれない。
それでも、その一作のみにしか使えないであろうトリックが見事に決まっており、「これは凄い」と素直に感心させられたものだ。
数あるカーの作品の中でも、ひときわ異彩を放つ名作と言い切ってしまっても文句はあるまい。
素晴らしい出来だと思う。

No.25 7点 TON2 2013/02/28 18:48
嶋中文庫
 古典的名作ですが、それほどとは感じませんでした。イヴと向かいに住む婚約者トビーの痴話げんかがばかばかしく思えました。殺人の犯人にも意外性はありませんでした。

No.24 9点 okutetsu 2013/02/07 04:52
うまい!
この一言に尽きる。
ある人間を欺こうとするセリフがそのまま読者も欺いているというのは盲点で素晴らしいトリックだ。
叙述トリックを使った作品としても相当完成度の高いのではないかと思う。

No.23 9点 ミステリーオタク 2012/09/23 23:15
カーの中では一番好き
まだ読んでねえ作品もあるので今後変わるかも知れねえが

No.22 6点 mini 2012/05/29 09:58
* とりあえず復旧再登録(^_^;) *
先日に創元文庫から「皇帝のかぎ煙草入れ」の新訳版が刊行された
別段旧訳に問題が有ったという話は聞いたこと無いから、何でここで焦って新訳版を出す意味が有るのか疑問だが、創元は7月にも「黒死荘の殺人」の新訳版が予定されており、ここ数年でカー作品の新訳切り替え時なのかも知れん

ところで当サイトでのカー作品での書評数を調べると上位は現時点でこうなる

「皇帝のかぎ煙草入れ」 ・・・ 21人
「三つの棺」 ・・・ 16人
「火刑法廷」 ・・・ 14人
「ユダの窓」 ・・・ 12人
以下は1桁台

なんと「かぎ煙草入れ」が圧倒的な書評数なのである
必ずしも書評数と実際に読まれている度合いが比例しているかは不明だが、まぁ多く読まれているのは間違いないだろう
推測だが「かぎ煙草入れ」が人気作なのは、カー作品にしては癖が無いのでカー入門書として選ばれ易いという理由が有るのではないだろうか
しかも癖が無いからといって、単に無難に纏まっています、というわけでもなく、それなりに見事な技巧が施されており、入門し易く名作であるという要素を兼ね備えている
「三つの棺」や「火刑法廷」ではどう見ても初心者向きじゃ無いもんなぁ、一方「ユダの窓」の場合は初心者向きではあるけれどカーという作家の特徴を知るという目的には向かない異色作だしね
まぁそれ言うと「かぎ煙草入れ」もカー得意のオカルト趣味が希薄だったりと、カー本来の持ち味が出ているわけじゃないんだけどね
ただ全編法廷シーンで押し通すカーにしては特異なプロットの「ユダの窓」よりは、「かぎ煙草入れ」の方が普通の本格な分だけより万人向きだとは言えるだろう

No.21 8点 蟷螂の斧 2012/04/04 22:17
裏表紙「このトリックには、さすがのわたしも脱帽する」とアガサ・クリスティを驚嘆せしめた・・・とのとおり、ビックリ仰天、見事に騙されました。お恥ずかしい話ですが、「かぎ煙草入れ」がどういうものか知らず、ネットで調べやっと理解できました。「嗅ぎ煙草」だったんですね。首飾りの宝石も出てきているので、題名の煙草入れがどういう役割なのか気にしながら読んだのですが、最後に大きなポイントとなっていました。感心しました。

No.20 7点 文生 2012/04/03 01:44
極めて巧妙な作品だと思いますが、misty2さんと同じく真相に気づいてしまったのがなんとも残念。
小説自体はカーにしてはケレンに乏しく、これを物足りないと感じるか、読みやすいととるかで評価が分かれそう。

No.19 7点 misty2 2012/03/18 22:36
「心理トリック」というインプットがあり、犯行者がすぐ判ってしまったのが悔しい。
是非、無情報で拝読したかった。
評判通り、間違いなく本格。

No.18 8点 大泉耕作 2011/11/24 17:06
 ビックリ!! (人間描写に矛盾だらけ)
 人間の醜態を鋭く描いた作品、登場人物の殆どがそのようなエゴイストが多いため、探偵役の博士の人柄が際立ち好感をもてました。これ一作限りなのがとても残念。
 登場人物のキャラの繋がり方が非常によく練られていると思います。そして「皇帝のかぎ煙草入れ」ものちのち重要な役割を果たし、犯人判明へと繋がるわけですね。
 伏線を押し込めようと多少の不自然さは感じましたが、最後に博士が言う台詞のなかにはどこかで読んだ覚えがある台詞などが多数提示され、ハッとする。これぞ推理小説。
「こりゃ凄い!」秀作です。

No.17 9点 isurrender 2011/05/23 00:48
シンプルなトリックだが、非常に良かった

解決シーンでは、某少年探偵の父親の台詞を思い出した(笑)

No.16 8点 HORNET 2011/01/08 20:58
 結末,真犯人を導き出す論理は非常に納得がいく&難解でない&かといって簡単でもない,読者の盲点をついた優れものでした。不要にペダンティックでもなく,読みやすい点も,ミステリマニアでなくても楽しめると思います。カー作品の中で評価が高いのも納得がいきました。

No.15 8点 2011/01/04 12:24
シンプルかつ華麗、そしてクリスティ作風でもある作品。タイトルが実に上手い。
簡易な心理トリックなので、ちょっと似の作品は散見するが、読みやすくプロットが抜群だから今の時代でも十分に楽しめると思う。
巻き込まれ、嵌められたイヴが逃走しながら自ら犯人を割り出すのかと思っていたが、意外に早く事実を打ち明けてしまうところは、予想と違っていた。2時間ドラマ風サスペンス・ミステリの読みすぎ、観すぎのせいか、そんな内容を想像してしまっていた(笑)。

No.14 9点 toyotama 2010/11/25 15:02
カーの作品はこのくらいの長さがいい。
たしかに、思い込んでしまったらこういう錯覚は起こしそうだ。

No.13 9点 minii 2010/10/26 18:24
素直におもしろかった。
舞台はとても狭く、登場人物も最小限なのに、ここまで魅せてくれる物語に仕上げ、そして見事に驚かせてくれた。
 半世紀前ならではのこの物語、名作は現代の科学技術に勝りますね。

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