[ 本格/新本格 ]
監獄島
加賀美雅之 初出版: 2004年08月 平均:7.73点 採点者数:11人

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採点傾向
No.11 2点 ねここねこ男爵 2017/11/16 23:12
最初にまとめると、初期の(有名ミステリからパクりまくっていた)金田一少年の事件簿みたいなもん。

書評数は少ないながら異常な高得点かつ入手が非常に困難で、たまたま旅行先の図書館で見つけて予定を変更して読んだ作品。
感想は………力作であることは確かです。が、後述しますがコレページ数半分くらいで十分書けたんじゃあ。それから、推理小説好きなら大半の仕掛けが見破れます(物理トリックは除く)。ワタクシはそうでした。それは推理力自慢じゃなく、大半が古典推理小説からの丸パクリの継ぎ接ぎだからです。作者も「ここからパクった」とパクリ元を作中で明示してますしね。うーんこの。あと密室殺人が山ほど起こりますが、密室にする必然性が皆無。
犯人特定の部分はそこそこだけに(それもクイーンの有名作のパクりだったり)、台無し要素がね。それから後述するが、この作者は自分が書いたことを忘れすぎ。

批判(ネタバレなし)
①長すぎ。二冊にして儲けたかったのか?いや、長さの理由が必然的なものでなく単に作者の未熟さによるもの。ことあるごとに事件のおさらいをする。繰り返し繰り返し。しかもコピペ並みに変化がない。かつ長い。解決編が並の長編ほどの長さですが、事件の復習がほとんど。作中の人物すら「そんなこと知っとる」と言うw 「そのくらいいいじゃん」という人はぜひ読んでください。同じこと三回くらい書いてるから。
②クライマックスで銃を突きつけられてるのに犯人そっちのけで16ページも解説する探偵と聞き手。それをじっと待つ犯人。そこから12ページも自分の悪事を白状する犯人。じっと聞く探偵と聞き手。この人達って…
③聞き手がポンコツで、探偵不在時に「○○に違いない」と推理してるのに、同じことを解決編で探偵が言うと「ああっ!!そうだったのか!」と衝撃を受ける。長すぎて作者も書いたこと忘れてるんじゃないか。

もうとにかくほんとに冗長で、解決編は傍点部分だけ読めばよい。あとの200ページほどは読む必要がないという酷さ。
コレほど高評価の作品なのに評価数が少ない理由がよく分かる。小説として未熟すぎ。あとパクリすぎ。パクリ元を読んでなくて半分の長さなら名作かもね。


批判(ネタバレあり)
④複数のトリックが『黄色い部屋の謎』の丸パクリ。作者はひとつだけみたいに書いてますが他にもある。他の古典からのも散見。
⑤糸!糸!糸糸糸!この本は糸と偶然とパクリで出来ています。
⑥偶然はやめましょう。なんでもありになります。しかも何回も。ナメてんのか。
⑦監獄の構造見た瞬間トリックがネタバレするっしょ。まさかと思ったらまんまだった。ショボい。
⑧叙述トリックはすぐ露見する。あんなわざとらしい前フリしたらね。手記=隠蔽工作。ヲタ臭い仕掛け。
⑨『ダイヤは原石では価値がないのでルートを持つ犯罪者を巻き込んだ』のがそもそものきっかけなのに、2ページあとで『原石だけで十分な価値があるから他のやつを殺した』は草。
⑩信号弾って音くっそデカイうえ精密射撃なんて無理なんだが。

繰り返すが金田一少年程度のクオリティ。

No.10 8点 名探偵ジャパン 2017/08/14 21:53
これは大変な力作です。
「まだ死ぬのか?」と読んでいて心配になるほど、次々に殺人が起きていきます。しかも、そのどれもが、密室、バラバラ、火だるま等、不可能、猟奇殺人のオンパレード。やりすぎといいてもいい不可能犯罪装飾や血生臭い殺人風景、名探偵とワトソンの関係性(ワトソンがやたら探偵を褒めそやす)は二階堂黎人を彷彿とさせます。
トリックの一部には大胆な物理トリックも使用されていて、さしずめ島荘と二階堂黎人のいいとこどり、といった感じでしょうか。
中には「それは無茶だろ」と突っ込みが発生するトリックもないではありませんが、これだけトリックの大サービスをしてくれたのだから、十分許容範囲内です。
記述者の事件後の回想譚という形で書かれているので、「この中の何人かは生きて島から戻れなかった」や「これが生きている彼を見た最後になった」といった、ちょっとレトロな、先の展開を予測させる書き方がされているのですが、これも事件の雰囲気にぴったりで効果的に使われています。
サブタイトルでも、先の展開に触れたものがありますので(「ブライ死す!」的な)、できれば目次は飛ばして読むことをお勧めします。
ラストにはサプライズも用意されていて、陰惨な事件の中に清涼剤的に配されたロマンスもあり、ミステリ部分だけでなく、物語としても楽しめます。

No.9 9点 madara 2017/03/18 14:48
本格物で物理トリック多め。
孤島の刑務所で次々に人が死にます。
そのほとんどに何かしらのトリックが使われており、解決編はかなり長く読み応えあります。
現場の見取り図もきちんとあるのが良いですね。
一部アンフェアなトリックもありますが個人的には充分楽しめましたので9点付けました。

No.8 9点 龍樹 2016/01/28 09:24
基本点:5点
豪華極まりない不可能犯罪の羅列に:+3点
叙述人物トリックのおまけに:+1点
合計:9点

メインディッュが四皿位続き、おいしいデザートまで付いた、豪華絢爛で、でも分かりやすい味のフランス料理のフルコースのような本格物の金字塔。

No.7 8点 あびびび 2015/09/05 16:30
文庫上下で1200ページ超。解決編で300ページ超と、とてつもなく長い。2000枚の力作だ、しかし、ほとんど中だるみなく読み切れた。

いろいろなトリックは偶然も入れての展開だが、語り手の男は解明の度に、「驚愕した」、「戦慄した」のオンパレードである(笑)

真犯人については序盤のミスリードが大きく効いており、そこまでは踏み込めなかった。しかし、孤島での本格的な本格は、読んでいて楽しい。

No.6 6点 nukkam 2014/01/12 20:20
(ネタバレなしです) 2004年発表のシャルル・ベルトランシリーズ第2作の本格派推理小説です。「綾辻行人の『「時計館の殺人』(1991年)と二階堂黎人の『人狼城の恐怖』(1998年)へのレスペクト作品」として書かれただけあって、光文社文庫版で上下巻合わせて1300ページを超す大分量と惜しげもなく注ぎ込んだアイデアの数々が圧巻です。これだけ謎解きのサービスされると気に入らない謎解きが少しぐらいあってもそれ以上に満足度の方が上回ります。バラバラ死体に火だるま死体など猟奇的な事件もありますが、グロテスク描写を極力排しているのも(そこが二階堂黎人とは大きく違う)個人的には好感度高いです。

No.5 9点 測量ボ-イ 2013/12/27 20:12
いやあ、これは名作、力作です。
本格度の高い謎の設定がこれでもかとあり、その各々に
対して合理的解決がある(トリックは一部しょぼいです
が)、僕と趣向の近い方なら必ずや満足してもらえる作
品でしょう。
採点は久々の10点満点といきたいところですが、真相の
一部にややアンフェア感がぬぐえないのでその分減点し
ました。けれども今年読んだ作品では間違いなくNo.
1です。

No.4 8点 mozart 2012/08/30 12:07
本作と「双月城の惨劇」を同時に図書館で借りてきたのですが、返却期限を気遣って、先に分厚い方から読み始めてしまいました(発表順は逆だったのですね)。
まさしく本格ミステリーの王道を行く作品で大変面白く、ほぼ1日で読了しました。謎解きに入ってからも随分ページが残っているな~、と思っていましたが、あそこまで入念に繰り返し「もう一つの真相」が暴き出されていくとは・・・、感服しました。ふぅ・・・。
これから読む予定の「双月城の惨劇」も楽しみです。

No.3 8点 蟷螂の斧 2012/06/08 12:47
不可能殺人のてんこ盛りで、ややお疲れ気味です(笑)。物語の構造は良く練られています。中でも凶悪犯の脱走、およびメアり-(物語の語り手の妻)の登場に関しては秀逸であると感じました。やや不自然な点や、偶然(好みではない)があり8点止まりとなりました。

No.2 9点 makomako 2009/10/14 21:20
 不可能と思われる密室殺人が次々と起きる。、物質トリック、心理トリックなどをこれでもかと詰め込んだ謎解きと古風な雰囲気。どれをとっても本格物が好きな読者には答えられないないではないか。トリックなども実によく考えられており、大変長い小説であるが最後まで読者をひきつける。ひとつずつ小説化すれば何冊かの長編本格推理小説が書けるところをひとつの作品にもりこんだ作者の姿勢に敬意を表したい。
 減点はちょっと無駄に長いところが見られるのと最後のシーンで探偵が犯人に拳銃を突きつけられながら長々と犯人が犯した犯罪をあきらかにしているところ。探偵に対して殺意を持っているのだから自分の犯罪がみんなにあきらかになるのをじっと聞いているとはとても不自然。
 

No.1 9点 E-BANKER 2009/08/02 00:20
パリ司法判事・シャルル=ベルトランシリーズの長編2作目。
ノベルズ版で上下分冊というボリュームですが、長さを感じさせないほど素晴らしい作品。
~断崖に囲まれた脱出不可能な孤島、「監獄島」。そこで次々に巻き起こる血で彩られた惨劇! 吊り下げられた火達磨の死体、バラバラ殺人、そして密室・・・パリ警察が誇る名判事ベルトランがこの大いなる謎に挑むのだが・・・~
とにかく、不可能犯罪の連続で息もつかせぬ展開。密室などは序の口で、バラバラ殺人が数種類、火あぶりされた死体は地上高く掲げられたり、おまけに過去の爆発事件まで登場するなど、まぁスゴイですよ。ここまで畳み掛けられたのは、二階堂の「人狼城の恐怖」以来です。
(作者の作品と二階堂作品はかなり相似形ですけど・・・)
トリックだけでなく、プロットもなかなか見事! 「解決したかに見えた事件の背後にさらなる悪が・・・」ということで、その辺り終盤のサプライズの連続にも大いに満足しました。
まぁ、こういうクラシカルなコード型作品は肌に合わないという方もいらっしゃるかもしれませんが、私にとってはまさに「ド・ストライク」な作品。
誰がなんと言おうが、「犯人はおまえだ!」という前の「ゾクゾク感」こそが、ミステリーを読む醍醐味なのだと改めて気付かされます。
「作者渾身の作品」だと思いますが、逆に「出しすぎたんじゃないか」と心配になってきます。こんな作風の作家は貴重ですから、2・3作で燃え尽きないように願うばかりです。
(3作目「風果つる館の殺人」以降、新作の噂を聞かないので心配になってきます)