プリズム
作家:貫井徳郎 初出版: 1999年10月 平均:6.05点 採点数:20人

TOPAmazonを見る採点を見る採点する

  

No.20 6点 まさむね 2012/02/13 20:39
 自己矛盾する2つの印象を受けました。
 まず,第1点。前章で犯人(と目された)人物が次章の語り手となり,新情報も加えて独自の推論を組み立てるスタイルは,やはり面白い。最終的には循環させつつ,読者に委ねる構成もニクイ。人それぞれ,無限の楽しみ方があると思いますね。
 その一方,純粋に「正答が知りたい!」と感じてしまったのも事実。作者の狙いは十分に認識しつつも,やはり,どうしても…ねぇ。これが2点目の印象。何ともワガママな読者ですみませんねぇ。
 ちなみに,タイトルは「被害者」・「容疑者」・「関係者」の多面性を端的に表していて,秀逸です。

No.19 5点 蟷螂の斧 2011/10/30 20:37
フーダニットとしての試みとしては面白いとは思いますが、チョコレートを贈った人物の視点からの記述がないので、これでは単なる事故で終わってしまいます。仮説の中に真実がなければ、読者も推理できません。事故ならフーダニットになりませんし・・・。

No.18 7点 E-BANKER 2011/09/06 22:42
いわゆる「多重解決型」を狙ったミステリー。
1つの殺人事件を連作形式で綴るのが特徴的な作品。
~小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。傍らには彼女の命を奪ったアンティーク時計が。事故の線も考えられたが、状況は殺人を物語っていた。ガラス切りを使って外された窓のロック、睡眠薬が混入されたチョコレート・・・平凡だったはずの女性教師の殴殺事件は予測不能の展開を見せる~

①「虚飾の仮面」=第1話は教え子の小学生たちの推理。その結果は、意外な犯人へ辿りつく。
②「仮面の裏側」=第2話の探偵役は①で犯人と目された人物。天真爛漫で誰からも愛された人物と思われた被害者に、実は意外な面があることが判明。
そして、①とは違う人物を真犯人とする結果に・・・
③「裏側の感情」=今度は②で犯人と目された人物が探偵役に。またしても、被害者の違う一面が分かり、そして意外な人物が被害者と関わっていたことが分かる。最終的には違う人物を真犯人として指摘する。
④「感情の虚飾」=③で真犯人と考えられた人物が主役。最後に辿りついた結論はかなり意外なものに。

「多重解決」といえば、当然「毒チョコ」が有名ですし、本作の「作者あとがき」でも「毒チョコ」を意識している旨が書かれてます。
まぁ、好みは分かれるかもしれませんが、個人的には面白いと思いますね。
本サイトの「毒チョコ」の書評でも書きましたが、ミステリー作品の真相なんて、作者の匙加減1つですから、こういった実験精神溢れる作品があっても何ら構わないと思いますね。
「プリズム」というタイトルには、「多重解決」という以外にも、被害者の人物像そのものが見る人(生徒や友人、恋人など)によって多面的に変わって見えるという意味も含んでいるのが印象的。
「連作形式」というプロットも嵌っていると思います。
トータルでは、一気読みできる佳作という評価。

No.17 8点 3880403 2011/04/05 23:34
面白い。
自分は麻耶雄嵩あたりの作品も好きなので、
個人的には上位に入る。

No.16 6点 solo1e 2010/05/18 13:24
複数の主要人物それぞれの視点で、被害者を語る手法により、被害者の
多面性が浮き彫りになるという作品。
他の方のレビューにもあるが、ラストに関しては好みが分かれるかも?
(私は楽しめましたし、一定以上の評価をしていますけど。)

ただ私としては、似たような手法であれば、同氏の「愚行録」の方が好きかな。

No.15 3点 spam-musubi 2010/05/16 09:00
全体の構成はとても面白く、ぐいぐいと引き込まれながら読んだ。
が、この宙ぶらりんなラストはどうにも受け付けられない。

No.14 4点 STAR 2010/02/18 11:13
(ネタバレあり!)
物事にはいろいろな見方があるということなんでしょうけれど、最後真相がわからないままなので、「結局どうだったんだ?」と思ってしまう作品。案外単純な事件だったのかもしれない。
好き・嫌いが分かれる作品だと思います。

No.13 7点 vivi 2008/02/20 01:18
いくつかの章立てで事件の別の面を見せていくという構成が秀逸。
どうなるの?という興味で読者を引きずっていきますね。
結局、最初の章へと戻ってしまうのだけど、
そのリングの中に犯人はいなかったわけで。
じゃあ、リングの中心にあるものは何?
案外、単純な事件だったのかも、と思いました。

No.12 5点 深夜 2008/01/23 21:04
あとがきによると、推論構築を主とした数少ないパターンのミステリだそうだ。そういう意味では、この作品を書こうとした貫井さんのアイデアと筆力に感心するばかりである。

しかし、個人的に、章が変わる度に新しい情報が増えていくため、自分自身で新しい真相を考えるのが面倒になったというのが正直なところ。そういうわけで、この作品を楽しむことができなかった。

No.11 3点 こもと 2007/10/16 22:32
 人間とは、多面体だ。 一人の語り手から見た被害者の印象は、あくまで一面に過ぎない。 幾人もの印象を重ね合わせて、浮かび上がってくる人物像は、確かにプリズムだ。
 作品の構成としては、かなり面白く、私の好きな部類だと言える。 凝っている・・・と思う。 だからこそ、その後の展開を見極めたくて、ページを繰って先を急いだのだ。 なのに、この結末はどうだろう? たぶん、この結末を好む人も、いるはずだとは思う。 賛否両論(これも、プリズム?)というところだろうが、私としては正直、肩透かしを食った・・・そんな気分。

No.10 2点 いけお 2007/10/10 11:47
で結局なんだったの?
明確に提示されなくても自分の解釈で考える余地があればいいけど、これはできない。

No.9 8点 ぷねうま 2007/09/26 06:42
個人的には『慟哭』より好き。
各登場人物の事件に対する思考過程や論理の組み立て方は面白い。タイトルも秀逸。
真犯人を探すのは無粋だという指摘もあろうが、真相を探ろうと頑張っているサイトを見てなんかこういうのいいなって思った。

No.8 8点 アデランコ 2007/08/10 20:29
答えがわからないところがいい部分。

No.7 6点 VOLKS 2007/07/07 20:57
結局、答えが解らない。正直、こういった作品は苦手なのだけれど、この作品は後味が悪くなかった。貫井徳郎の文体のせいだろうか。

No.6 6点 とと 2007/05/22 15:28
読後感は、なに、これ、なんかずるい、です。犯人わかんないし、構成としてはおもしろいかもしれないけど、なんか納得いきません。こういう小説もあってもいいのでしょうが。。。

No.5 5点 トクロー 2005/07/21 22:02
う〜ん、、全く予備知識なしで読めたら、その斬新さをもっと楽しめたのだろうけど
こういう特殊な作品は、どうしても、どっかから多少のインフォが入っちゃうんだよね。

タイトルはストーリーの展開形式を象徴するものかと思ったけれど、○○○そのもののことだったんだね。

で、結局真相は?

No.4 8点 ぬくい 2005/04/07 19:57
面白い。
結局真相は?というのは愚問ですね。
今まで読んできた中には無いタイプだったので、楽しめた。

No.3 9点 760 2005/02/24 00:13
容疑者が語り手へ、んで最初にもどる的な流れに思わずにんまり。読み後もすっきりしました。

No.2 8点 パブロピカソ 2004/08/14 02:22
これもミステリのひとつの形だから、と忘れられかけている形式を用い、本格の傍流を示した。(今となれば傍流だが、本来は本格の一形式だろう)
リドルストーリーであっても本格たりえる。そして十分面白いものを作りえる。
忘れがちですね。

No.1 7点 しゃんてん 2003/04/15 11:21
 章ごとに記述者が変わるミステリ。記述者ごとに、被害者の人物像や事件の見え方が変わるのも面白い。それぞれの記述者の導き出した結論は、必ずしも論理的でない。思いつきに過ぎない。しかし、それがその記述者にとっては、非常に真実味があるというのが納得できた。本格ではなく、推理することの面白さが味わえた。しかも、何度も読み返したくなる構成もうまい。