[ ハードボイルド ]
さよならの手口
葉村晶
若竹七海 初出版: 2014年11月 平均:5.67点 採点者数:3人

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採点傾向
No.3 6点 makomako 2016/12/30 14:03
 なかなかの力作だと思います。いろんなアイデアを盛り込んでのハードボイルドであり推理小説でもあり。これを書くのは大変だったのでは。
 女性でなければ絶対書けない女たちの描写がまた興味深い。男にとっては女は永遠の謎があるのですが、女同士だと謎でも何でもない。結構素敵な葉村晶やその周囲の女性たちなのですが、女から見ると男に全然もてる要素がないように描かれてしまっている。女は女に厳しいねえ。
 そういった内容ならもっと評価が上がってもよいのですが、いろいろなアイデアむしろがごちゃごちゃした感じになってしまっているからではないでしょうか。
 作るのに大変な作品が必ず素晴らしいというわけにいかない。良い要素が詰まっているのにちょっと残念です。

No.2 5点 蟷螂の斧 2016/09/11 22:38
ハードボイルド風の展開が、あまり肌には合いませんでした。本題とは関係ありませんが、主人公のバイト先がミステリ専門書店であるところより、巻末に「おまけ」として店長のミステリ紹介が載っています。「オリエントの塔」(水上勉氏)「赤い殺意」(藤原審爾氏)「キルトとお茶と殺人と」(サンドラ・ダラス氏)は読んでみたいと思います。

No.1 6点 kanamori 2015/01/08 18:52
古本の引取り作業中の事故で入院した「わたし」は、病院で同部屋になった末期癌の元女優から、20年前に行方不明になった一人娘を探してほしいと依頼される。しかし調査を進めるうちに、当時雇われた私立探偵をはじめ元女優の身辺の人々が次々と失踪しており、殺人事件までが関係していることが分かってくる----------。

「悪いうさぎ」以来、13年ぶりの私立探偵・葉村晶シリーズの長編。ですが、契約先の探偵事務所が廃業したため、葉村はミステリー専門古書店のアルバイト店員という中年おばさんになっていましたw  
私立探偵に復帰した葉村が多くの関係者のもとを訪ね歩き、満身創痍になりながら徐々に過去の事件の輪郭が浮き彫りになっていくストーリーなので、ジャンル投票は一応ハードボイルドにしましたが、「わたし」の語りはハードボイルドぽくなく、あくまでも若竹テイスト。自虐的で時にはユーモアもある語りは読み心地がよく、古いミステリ小説の話題が随所に出てくるところはコージー風でもあります。ただ真相はかなり暗鬱なものでしたが。
なお、私立探偵の失踪人探しをきっかけに大金持ちの家庭の秘密が明らかになる...というプロット自体はロス・マク直系ですが、タイトルはチャンドラー「長いお別れ」の有名なラストの一文からの引用。さて葉村は、"警官にさよならをいう方法"を見つけたのでしょうか------それは読んでのお楽しみ。