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平均点:5.98点 採点数:122件

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採点傾向好きな作家

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No.122 7点 掟上今日子の備忘録- 西尾維新 2015/10/26 16:10
本格ミステリーとしては若干甘いところもあるがまずは無難な出来。
小説としてはテンポがよく、キャラも立っているので楽しく読める。
ラストシーンがきれいに決まったのが好印象。

No.121 6点 影の告発- 土屋隆夫 2015/10/20 10:12
初読の時は「トリックよし、プロットよし」で危険な童話に並ぶ傑作と思っていましたが、その後、海外の過去作でトリックのまったく同じ作品を見つけたために印象が薄くなってしまいました。

No.120 6点 天狗の面- 土屋隆夫 2015/10/20 10:08
ちょっと横溝作品っぽい雰囲気がある手堅い本格ミステリーだが、これといって特筆すべき点もない。
土屋隆夫がまだスタイルを確立できていな時代の習作という感じ。

No.119 6点 殺戮にいたる病- 我孫子武丸 2015/10/20 08:32
あっと驚く驚愕のトリックですが、そこに至るまでがひたすら陰鬱な話が続くので読み進めるのが疲れる。

物語4点、トリック9点で総合6点というところだろうか。

No.118 6点 切断- ジョイス・ポーター 2015/10/19 01:36
意外な動機という点では史上1、2位を争う作品ですね。ただ、海外のユーモアミステリーがちっとも笑えないのはいつもの通り。

No.117 6点 虹の歯ブラシ- 早坂吝 2015/10/18 15:07
【ネタばれあり】
援交女子高生を探偵役にし、エロシーンに伏線を盛り込む趣向が斬新。キャラも立っており、十分楽しめる連作ミステリーなのだが、全7章の中で最後の2章が謎いすぎる。

「伏線はある」と言ったってそりゃ、ファンタジー設定持ち込めばなんでもあるというものだ。あれでドヤ顔されても読んでる方が困る。

最終的な着地点は、その発想には脱帽するが、プロセスがよろしくない。非常に惜しい作品である。

No.116 4点 くたばれ健康法!- アラン・グリーン 2015/10/18 05:46
不可能犯罪のトリックはユニークだったが、それだけで全編を覆うユーモアというやつが全く理解できず、退屈な作品でした。

No.115 7点 鍵の掛かった男- 有栖川有栖 2015/10/17 10:26
作家アリスシーリズ最長作というだけあって、ずっしりとくる重量級の作品である。

ただ、いつものようなロジックのアクロバットを期待してはいけない。
本作の探偵役は主にアリスがつとめ、事件の真相というよりも主に死んだ男の経歴を調べ上げる。そこから浮かび上がってくる被害者の人生こそが本作の主題であり、読み応えのある部分だ。

一方、事件の真相は終盤にやってきた火村の手で解かれる。こちらも悪くはないが、作品の長さを考えると明らかに軽量級。
エラリー・クイーンのライツヴィルシリーズのようなもので、ガチガチな本格を期待すると肩透かしを覚えるだろう。

No.114 7点 生還者- 下村敦史 2015/10/17 04:00
雪崩の事故から奇跡的に生還したふたりの登山家の証言が大きく食い違う中、事故で兄を失った主人公がその死に疑念を抱き、真相を探る山岳ミステリー版藪の中。

息詰まる登山シーンから始まり、生き残ったふたりの登山家の証言が180度異なることから生じるサスペンス、そして徐々に明らかになる登山家たちの複雑な過去といったふうに物語が展開する骨太で非常に読み応えのある作品です。

ただ、本格ミステリーのフォーマットを採用せず、人間ドラマに力点が置かれているため、早い段階で事件の背景が透けて見えるのは本格ファンとしては少し物足りなかった。

とは言え、事件解明後にも小さなサプライズを用意するなど、細部まで工夫を凝らした力作であることは確かです。


No.113 7点 ミステリー・アリーナ- 深水黎一郎 2015/10/16 12:30
作中作に基づいて15人にのぼる解答者が次々と真相を推理していく趣向が楽しい。その推理というのがどれもこれもバカバカしいものばかりなのだが、それも昨今乱発されている叙述トリックのバーゲンセールを揶揄しているものと考えれば逆に深みさえ感じられる。

ただ、似たり寄ったりの解答が多いため、中盤少し退屈に感じてしまった。解答者の面々も老若男女色々取り揃えてはいるが、自信過剰の上から目線キャラが多すぎてかなりワンパターン。

楽しい作品であることは間違いないのだが、もう少しメリハリを意識してくれれば傑作になりえたと思う。

No.112 5点 ノックス・マシン- 法月綸太郎 2015/10/15 13:45
やはり、ミステリーファンが楽しめるのは「引き立て役倶楽部の陰謀」だけのようですね。私もそれなりにSF小説を読んでいるつもりだったのですが、「バベルの牢獄」は無理でした。

今となってはこのミス1位だったのが不思議な作品です。

No.111 5点 スイス時計の謎- 有栖川有栖 2015/10/13 17:53
表題作が非常に評価が高いわけだが、本作の柱となるロジックが納得できない。

犯行の最中に、自分の腕時計を割ってしまった犯人はなぜ、被害者が持っている同じ種類の腕時計と交換しなかったのか?
(交換しておけば腕時計に注目されて、容疑者を限定されることもなかったのに)

というのが推理の端緒になっているが、被害者の腕時計を持ち帰って自分のものとし、被害者の腕に割れた自分の腕時計をはめたとしても科学鑑定にかけられればいつ自分の腕時計である証拠が見つかるか分かったものではない。
どんな事情があろうと遺留品はすべて持ち帰るのが自然だと思うのだが
いかがなものだろうか。

No.110 7点 冬のオペラ- 北村薫 2015/03/09 04:00
作者の代表作である『空飛ぶ馬』や『夜の蝉』などと同系統の日常系ミステリだが、個人的にはこちらの方が楽しむことができた。
探偵のキャラが立っており主人公も親しみやすい。
文学的な味わいは後退しているが、ミステリとしての切れ味は素晴らしく、全体的に肩のこらないエンタメ作品に仕上がっている。

No.109 7点 倒錯のロンド- 折原一 2015/03/08 14:43
推理小説の新人賞原稿が盗まれ、その犯人を捜すという設定がユニーク。
本格ミステリーとしては結末にいささか無理があるが、多少の無理は強引にねじ伏せる勢いと熱にうなされているような異様なテンションに引っ張られ、真相の不自然さはさほど気にならなかった。

No.108 4点 殺しの双曲線- 西村京太郎 2015/03/07 12:33
西村京太郎本格の最高傑作と呼ばれている作品だが自分には合わなかった。
まず、多くの人が指摘している通りクローズド・サークルものなのに緊迫感が今一つなこと。それに肝心の双子トリックがそれを使用する状況を作りだす手順に無理があり、たとえ成功してもそれほど効果的なトリックだとは思えなかったのが評価を下げた大きな理由。

さらに加えるならば、動機も気に入らない。犯人に同情的な書き方をしているけれど単なる逆恨みとしか思えない。そして極めつけは、純粋なパズラーとして書いているのにもかかわらず、逮捕する決定的な証拠がないからといって犯人の情に訴えて自白を引き出そうとしている点だ。
新しい本格ミステリーを書こうとした当時の意気込みは伝わってくるのだが、どうも自分の求めてたものとは違っていたという印象だった。

No.107 4点 ゴルフ場殺人事件- アガサ・クリスティー 2015/03/06 20:06
デビュー2作目にして後年ミステリの女王と呼ばれるにふさわしい物語運びのそつのなさは垣間見られるのですが、ミステリとしては特にひねりもなく凡作の域を出ていません。

No.106 7点 モルグ街の殺人- エドガー・アラン・ポー 2015/03/06 18:30
奇怪な事件、名探偵の登場、精緻なロジック、意外な結末。
世界最初のミステリにしてミステリのエッセンスがすべてつまっているという恐るべき作品で後世に与えた影響は計り知れない。
現代の読者からすれば、本格ミステリーとして純粋に楽しむことはできないかもしれないが、その物語から滲み出る独特の味わいは時を経ても色あせていない。
また、ポーの非ミステリーの代表作である『黒猫』や『アッシャー家の崩壊』などと読み比べてみるのも一興だろう。

No.105 8点 緑のカプセルの謎- ジョン・ディクスン・カー 2015/03/06 13:09
カーといえばおどろおどろしいオカルト趣味、ベタベタなスラップスティック・コメディ、大仰な密室殺人といったコテコテな要素が満載で手にしただけでお腹いっぱいになりそうなイメージがあります。
しかし、本作はそうした過剰な装飾物はなく、パズラーとしてすっきりした仕上がりになっています。プロットも実に良くできており、読者をだます手管はこれ以上ないというほど巧妙です。
中期の作品では他にも『皇帝のがき煙草入れ』『貴婦人として死す』という本書と同様の魅力を持つ傑作があり、カーは苦手だが、パスラーは好きという方におすすめです。

No.104 7点 猿来たりなば- エリザベス・フェラーズ 2015/03/05 21:06
トリックそのものは極めてオーソドックなものですが、殺されたのが猿であるという事実が読者を上手くミスリードさせることに成功しています。
発想の勝利というべき佳作です。

No.103 8点 遠海事件- 詠坂雄二 2015/03/05 11:08
佐藤誠というキャラクター自体が遠海事件の真相を隠すミスディレクションになっている構成は見事という他ない。
ストーリーそのものは序盤に起こった殺人事件について捜査をしていくだけという地味なものであるが、佐藤誠という不可解な存在に引っ張られてぐいぐいと引き込まれていく。
ただ、『佐藤誠の物語』としての落とし所は少し物足りなさを感じてしまった。80人以上も殺した殺人犯なのだから最期まで不気味な一面を残しておいても良かったのではないだろうか。

No.102 8点 球形の季節- 恩田陸 2012/04/10 21:10
平凡な日常が静かに崩れていく様を描いたSF青春ミステリー。
ショッキングな描写はほとんどなく、何かがとんでもないことが起こっているという不穏な空気感だけで物語を引っ張っていく。
ラストでは何ひとつ解明されないまま唐突に終わりを迎え、ミステリとして考えるのならば論外だが、思春期の漠然とした不安を描いた作品としてこれはそれ以外ないという〆だったと思う。


No.101 7点 ユリゴコロ- 沼田まほかる 2012/04/10 20:47
平凡な家庭で育った男が突如、見舞われる不幸の連鎖。
そんな中、実家で偶然見つけた異様な手記。
前半、その手記を中心に物語は展開されるが、狂気と屈折した情愛の入り混じった内容は衝撃的でサスペンスにも満ち、強く引き付けれるものがあった。
ただ、現実に戻ってからの終盤の展開は予定調和であり、ミステリーとしての仕掛けも見え透いていてパワーダウンを感じたのは残念。

No.100 4点 死者を笞打て- 鮎川哲也 2012/04/10 01:30
鮎川作品の中に実在の作家をモデルにした人たちが登場するパロディ作品だが、
作家たちが無駄にカッコイイのでリアリティに欠け、パロディとして面白味のない作品となってしまった。
事件自体も平凡で他の代表作のような切れは皆無。

No.99 8点 危険な童話- 土屋隆夫 2012/04/10 01:23
社会派ミステリのような刑事の地道な捜査とそれとコントラストを成すように挿入される幻想的な童話。
これがやがてひとつに繋がり、謎が解ける瞬間がこの作品の白眉。
犯人の仕掛けたトリックについてはさほど見るべき点はないが、本格ミステリとしての構成の美しさにはため息がでる。

No.98 7点 獄門島- 横溝正史 2012/04/10 01:11
本格ミステリーとしての様々な仕掛けが魅力的である一方で指摘のある通り動機や見立て殺人の必然性には甘さを感じ、東西ミステリーベスト100の第1位は過大評価の感が強い。
とは言え、決して駄作というわけではなく、戦後復興期のミステリの中でも上位に位置する佳品であることは確かである。

No.97 6点 爬虫類館の殺人- カーター・ディクスン 2012/04/09 13:07
扉の内側からテープを貼り付けられた目張りの密室という設定が独創的で伏線の使い方も巧み。
ただ、トリック自体は単純な機械的トリックなので真相が分かった時の驚きには欠ける。
ストーリー自体も奇術師カップルの恋愛を軸に語られ、カーらしいケレンミに乏しく物足りない。

No.96 6点 赤後家の殺人- カーター・ディクスン 2012/04/09 12:56
得意の怪奇性と不可能犯罪の要素を存分に盛り込み、知名度もそれなりに高い作品だが、やはり毒殺による密室というのが不可能性を薄め、トリックについても見当がつきやすいのが難点。

No.95 6点 人喰い- 笹沢左保 2012/04/08 13:02
笹沢左保の初期の作品は本格要素満載でそれなりに楽しめはするのだが、指摘のある通り、トリックに新味も使い方に工夫もないのが難点。
本作も派手なトリックはいくつかあるが、いずれも前例があるものばかりで、使い方に特にひねりがあるわけでもないので傑作と呼ぶには今ひとつ物足りない出来。

No.94 6点 魔女の隠れ家- ジョン・ディクスン・カー 2012/04/07 13:10
1930年のデビューからの数年、雰囲気優先でミステリとしての面白味に欠けていた初期と1934年の『プレーグ・コートの殺人』以降、傑作を連発した全盛期とを繋ぐ過渡的作品。
トリック自体は地味だが、おどろおどろしい雰囲気にミステリ的な仕掛けが有効に作用しており、バランスの良い作品に仕上がっている。

No.93 9点 ユダの窓- カーター・ディクスン 2012/04/06 11:51
ワンアイデアの密室トリックを『ユダの窓』という魅惑的なワードで引っ張っていくプロットがまず見事。
この効力によって本作は密室殺人を扱ったミステリの最高峰という評価を得ることになる。
そしてなんと言っても法廷ミステリーとしての完成度の高さ。
状況証拠がすべてクロの男の無罪をいかに勝ちとるか?
その論戦の面白さは特筆もの。
得意のオカルトを封印したカーの意外な才能を見ることができる名作。


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