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平均点:5.99点 採点数:1138件

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採点傾向好きな作家

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No.1138 7点 スウェーデン館の謎- 有栖川有栖 2018/09/24 17:35
足跡のない雪密室自体は、既存トリックの応用ですが、そこに至るトリックが秀逸。心理的盲点を突かれました。ただ、折れた煙突の扱いはしょぼい(笑)。

No.1137 6点 伊賀忍法帖- 山田風太郎 2018/09/20 14:52
裏表紙より~『戦国擾乱の世。主君筋の御台、右京太夫に邪恋を抱いた梟雄・松永弾正は、幻術師・果心居士配下の根来鴉天狗に美女狩りを命じる。美女の愛液からなる強力な媚薬、”淫石”を作らせ、籠絡しようというのだ。その毒牙に掛ったのは、伊賀忍者・笛吹城太郎の妻、篝火。死してなお犯され、弾正の愛人と首をすげ替えられたと知った城太郎は復讐を誓い、一人苛烈な闘いを七鴉天狗に挑んでゆくが・・・・・。奇想極まる山田忍法帖の代表作。』~

著者の忍法帖シリーズは初読です。何となくお色気路線のイメージが強かったのですが、その通り(笑)。まあ、ヒロー、ヒロインの純粋な恋情がエロ・グロさを薄めていますが・・・。主題は復讐にあるのですが、その復讐相手は史実では本物語の15年後まで生きています。では復讐は成し得なかったのか?・・・。実在の人物をうまく絡めて物語は構成されていますね。強いてジャンルを名付けるとすれば、「SF的伝奇時代小説」となるのでしょうか。

No.1136 7点 ささやく真実- ヘレン・マクロイ 2018/09/15 21:19
序盤での自白剤による暴露合戦や、英語を理解できない執事を雇ったつもりが、英語が喋れたなど、喜劇的要素もあり楽しめました。本作のメイン?のミスディレクションには、完全に翻弄されてしまいました(笑)。ミスディレクションのある事項が、犯人の特定に関係しているところなどは巧いと感心しました。

No.1135 6点 魔弾の射手- 高木彬光 2018/09/14 16:20
神津恭介シリーズ第3弾(1950)。意外な犯人、顔のない死体という点では高評価を付けたいと思います。ただし、犯人に関し好みでないものが含まれていた点が残念。題名の「魔弾」自体は、海外作品のパクリと言われても致し方ない(苦笑)。神津恭介への挑戦状からスタートし、展開はスピーディで読み易かった。

No.1134 6点 「法隆寺の謎」殺人事件- 深谷忠記 2018/09/09 18:41
サブタイトル『「はやぶさ(ブルー・トレイン)」180秒の逆転』から、時刻表トリックを想像したのですが、ある意味”逆転”を食らいました(笑)。探偵役がいま一つピンときません。探偵役が犯人像のヒントを出すのですが、決定的な推理(解決)は刑事役が行っています。主役が二人いるような感じで、どうもしっくりしません。まあ、「考える人」という探偵像なので致し方ない?。

No.1133 5点 赤後家の殺人- カーター・ディクスン 2018/09/08 20:13
全体に冗長で、単純なものを、わざと複雑化したような印象を受けてしまいました。よって、ごった煮のようでスマートさが感じられなかった。ハウダニット(毒殺)は好印象です。ただし、謎の声は拍子抜け…(苦笑)。

No.1132 6点 猫の舌に釘をうて- 都筑道夫 2018/09/04 11:27
講談社版・裏表紙より~『最愛の女有紀子が、友人塚本の妻になるや私の塚本への殺意はおさえられなくなった。だが塚本を殺せば有紀子も不幸になる。そこで考えたのが代償殺人行為だ。行きつけの喫茶店の常連に塚本そっくりの男がいる。彼のコーヒーに“毒”を入れよう!! ところが展開は意外や意外。ミステリの難題一人三役に挑んだ傑作。』~

「私はこの事件の犯人であり、探偵であり、そしてどうやら、被害者にもなりそうだ」。セバスチャン・ジャプリゾ氏の「シンデレラの罠」(1962)のキャッチコピーのようですが、本作の方が1年先行(1961)しています。その点は評価したいと思います。作中でニコラス・ブレイク氏に触れていることから、「野獣死すべし」(1954)のオマージュであることが窺えます。本自体への仕掛けは、まあ、あれこれ言うようなものではなかったですね(苦笑)。

No.1131 5点 カンヴァスの向こう側- フィン・セッテホルム 2018/08/31 15:34
絵画に触れることによって、その描かれた時代にタイムスリップしてしまうというファンタジー(児童書)です。この原則で現代にどうやって戻ってくるのか?という謎があります。それをどうしてうまく生かさなかったのか不思議でなりません。途中で著者は答え(伏線?)を出してしまって、ああ勿体ないと思っていたら、まったく関係ない方法で現代に戻ってきてしまいました。残念。まあ、6章で好きな「ダリ」が描かれ、その他で「荘子」や「ボッテチェリ」が登場したので+1点(笑)。

No.1130 6点 ナナフシの恋- 黒田研二 2018/08/29 10:17
裏表紙より~『「新しい教室で待ってます」―呼び出しメールの発信者は25日前に自殺を図り、意識不明の重体で入院中のクラスメイト・麻帆だった。不審に思いながらも教室に集まる男女6人。消えた携帯電話、移動した教卓、教室に転がる消火器など自殺未遂現場に残された数々の謎。自分たちを集めたのは…?事件の真相に同級生たちが迫る。繊細で多感な高校生たちの青春ミステリー。 』~

集められた人物が真相を推理するというもの。「そして扉が閉ざされた」(岡嶋二人氏)を思い起こしました。真相は著者らしい”ぶっ飛んだ”内容ですね(笑)。ラストはちょっぴりホッとします。

No.1129 6点 結婚なんてしたくない- 黒田研二 2018/08/27 13:17
「BOOK」データベースより~『結婚を意識しながらも、シングルライフを満喫する5人の男たち。そんな彼らの前に“運命の女”が突然現れ、やがて平凡な日常生活が崩れていく。』~

ナンパ男の前に自分をパパと呼ぶ少女が現れる。アニメのフィギュアに恋する男の前には、同じ趣味の美人が現れ、お互いのフィギュアを共有するため結婚しようと言い寄ってくる。同性愛の男性には、それをカモフラージュするため、同趣味の女性が共同生活を申し出る等、5人の男の物語が交互に進行する。そして、それらが絡み合って・・・。ユーモアミステリーに分類されるのか?。

No.1128 6点 警察署長- スチュアート・ウッズ 2018/08/25 13:34
(東西ミステリー・ベスト100の40位)ジョージア州の田舎デラノの三代にわたる警察署長の物語で、ミステリーというより大河小説ですね。主題は人種差別や政治に係るもので、犯人の心理や動機などはほとんど語られません。よって高評価はつけ難い。

No.1127 9点 妖魔の森の家- ジョン・ディクスン・カー 2018/08/23 10:00
表題作のみの評価。物理的密室、心理的密室等々、数々あれど、表題作は「ユダの窓(9点)」「斜め屋敷の犯罪(9)」「ビッグ・ボウの殺人(8)」を押さえ、マイベストNo.1にランクイン(笑)。まあ、密室ものの短篇はほとんど読んでいないので、もっとすごい密室があるのかもしれませんが・・・。何しろ、伏線が素晴らしい。動機の隠し方がうまい。なお、マイナスポイントは、「第三の銃弾」(別途評価済み)と同様な理由。

No.1126 9点 神曲法廷- 山田正紀 2018/08/20 18:35
参りました。こんなラストが待ち受けているとは?!。

~神宮ドームで火災事故が発生。防火管理責任者が業務上過失致死傷罪で起訴される。公判直前、絶対に凶器を持ち込むことができないはずの東京地裁の控室で担当弁護士が刺殺され、さらに報道陣が見守る中、裁判官室(10F)から出られないはずの判事が、法廷(5F)の被告人席で絞殺されてしまった。~

ダンテの「神曲」をモチーフに描かれています。主人公の検事・佐伯神一郎は神経症を患い、神の声が聞こえるという設定です。この点で「後期クイーン的問題」を簡単にクリア?(笑)。と言っても神が答えを教えてくれるのではありません。チャンと推理する本格ものです。

No.1125 6点 死人はスキーをしない- パトリシア・モイーズ 2018/08/18 09:35
派手さはないが、細かいところまでよく練られた作品といった印象。証言の小出しには若干イライラ(苦笑)。ラストでの男爵の行動が唐突に感じられた。なんとも惜しい。もう少し彼の心理描写があれば「男の美学」としての印象が大きく変わっていただろう。

No.1124 5点 ポストカプセル- 折原一 2018/08/12 15:59
ラブレター、遺書、脅迫状などが15年後に届くという短編集(7篇)。それらがラストで一つに収斂するというもの。ブラックユーモアが主体で、著者の得意な「叙述」は少々で物足りない?(笑)。

No.1123 5点 ステップフォードの妻たち- アイラ・レヴィン 2018/08/11 13:18
1975年キャサリン・ロスさん主演、2004年ニコール・キッドマンさん主演で映画化されています。ステップフォードに引っ越してきたジョアンナは、周りの主婦がみんな家事に精を出すばかりで、遊ぶことをしない、それが不満であった。最近引っ越してきたばかりの二人の開放的な主婦と知りあい、ほっとするも、その二人もやがて家事に専念するようになってしまう。次は自分の番なのか?と不安が募ってゆく・・・。ラストの描写は評価が分かれるだろうな。

No.1122 4点 硝子の塔- アイラ・レヴィン 2018/08/10 19:43
不吉な番地、マディソン・アベニュー1300番地に建つ高層マンション。ここ3年間に4人が不審死していた。更に何者かが各部屋に隠しカメラを取り付け、住人たちを覗いていた・・・。シャロン・ストーンさん主演で映画化されたといえば、内容は推して知るべしでしょう(笑)。まあ、エロティック・サイコ・サスペンスとでも言えばいいのでしょうか。私の思い描く、著者のイメージとは違った作品でした。

No.1121 6点 蜘蛛の巣- アガサ・クリスティー 2018/08/06 09:46
第一印象は、読書より劇を見た方が笑えるだろうな・・・でした。主人公・クラリサのノー天気さが良い。夫とその招待予定客が途中で登場して、もっとドタバタ劇になればなあ、とないものねだり(笑)。ミステリー的には、意外な真相と犯人といったところでした。

No.1120 6点 上を見るな- 島田一男 2018/08/05 13:06
犯行に係る題名「上を見るな」はあまり効果的ではなかったような。しかし、本書のトリック(1955年)は「点と線」(1958年)を超えている?(笑)。ここは盲点でした。昭和30年代の風俗が垣間見れて楽しめました。

No.1119 7点 逃亡刑事- 中山七里 2018/08/03 21:27
千葉県警のアマゾネスと呼ばれる女警部・高頭冴子。ニューヒロイン登場といったところ。殺人犯を目撃した少年を守るため、犯人から逃げ回るという単純明快な活劇。あんな○○○はいなだろうという突っ込みどころはあるものの、そんなことは無視(笑)。何しろ強い、180cmで美人。ラスト一行が泣かせる。で+1点。

No.1118 7点 わたしの愛した悪女- パトリック・クェンティン 2018/07/31 22:39
妻の浮気疑惑、その相手が弟ではないかと悩む主人公。題名「わたしの愛した悪女」からしてネタバレしています(苦笑)。題名通りに妻の過去が暴かれてゆきます。複雑な家族関係が巧く描かれていました。またフーダニットが前面に打ち出されており楽しめました。

No.1117 5点 ワルツを踊ろう- 中山七里 2018/07/25 14:27
過疎の村おこしのため”ワルツを踊る”という話か?と思っていました。途中までは、著者らしくない題材という感じを受け、読み終わってみれば、うーん長編での題材ではなかったとの印象です。やはり、短編向きのどんでん返しか?。

No.1116 5点 屍衣の流行- マージェリー・アリンガム 2018/07/22 17:57
女優ジョージアの恋愛関係を中心に物語は展開します。探偵役のキャンピオンの妹もそれに巻き込まれてしまいます。更に成り行きでキャンピオンの婚約者となってしまうアマンダも登場します。やっとやっと事件が起こりますが、死因がはっきりせず、もやもや感が漂います(苦笑)。ここまでの文章が高尚で読みにくいのが難点です。後半は気にならなくなりましたが・・・。ハウダニットでは、当時(1938年の作品)の検死の結果、犯人側からすれば成功となりますが、現在ではどうなんでしょう?。

No.1115 8点 翼がなくても- 中山七里 2018/07/16 13:45
御子柴弁護士シリーズの番外編。この手の青春スポ根ものは涙腺がどうしても緩みがち。よってプラス1点。まあ、バラエティに富んだ作品を提供していただき感謝感激(笑)。

No.1114 7点 殺したい女- 笹沢左保 2018/07/08 16:49
花房家の養女・理帆は、家に出入りする涼子(画廊経営)に嫌悪感を抱いていた。涼子は若い愛人を二人も持ちながら、やがて義父にも誘惑の手を伸ばしてきた。そのことで理帆の嫌悪感は、やがて殺意に変わっていった。そして完全犯罪を計画するのだが・・・。人生にはこんなこともあるという、背景の人間関係が楽しめた。

No.1113 7点 闘う君の唄を- 中山七里 2018/07/07 13:39
新米の幼稚園保育士・凛が保護者会との軋轢を乗り越え、その成長過程を描いた物語と思いきや、後半、突然それが反転するのです。「その女・・・」あたりからの流行りとなった?(笑)。著者の作品群では少し毛色の変わった作品でした。ラストはほろりとさせてくれました。

No.1112 6点 死刑執行人のセレナーデ- ウィリアム・アイリッシュ 2018/07/05 11:13
刑事プレスコットが休養のため訪れた下宿先で、老人が首吊り自殺に見せかけ殺された。しかし、保安官は事故では?と本気にしない。それが理由とは思えないが、プレスコットは画家のスザンに現を抜かす(笑)。ダンスパーティーでは彼女と踊りたくてたまらないのだが、中々うまくいかない等々。やがて5人が亡くなり、その共通点をプレスコットとスザンの二人で探すことになる。著者の作品でフーダニット(但し本格ものではありません)や格闘シーンがあるのは珍しいのでは?。ラスト、スザンの言葉がおしゃれです。

No.1111 6点 冷たい太陽- 鯨統一郎 2018/06/29 18:32
会話が主体の文章でスラスラ読めるのが利点。トリックは面白いのだが、「やられた感」がなかったことが残念なところ。やはり無理が感じられるのである。身代金の受け渡しなどのアイデアは楽しめた。

No.1110 5点 恐怖同盟- 阿刀田高 2018/06/09 22:23
「顔」「血」「耳」「妖」「老」など、題名は一文字のみの10篇。文体は手紙形式、電話形式、二人称形式、擬人化形式など工夫されています。内容は、覗き、カニバリズム、ドラキュラ、嫉妬、幽霊、幻などバラエティに富んでいます。たまにはブラックユーモアで気分転換という意味での再読でした。

No.1109 4点 斜光- 泡坂妻夫 2018/06/08 17:38
分類は官能ミステリーと言ったらいいのでしょうか(笑)。かなりの官能描写がありますので、その分ミステリー度が弱くなっている感じです。帯には本格推理小説とありますが、推理する要素はほとんどありません。真相もさてどうなんだろう?という程度でした。

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