蟷螂の斧さんの登録情報
平均点:6.00点 採点数:1160件

TOPプロフィール高評価と近い人書評を見る

採点傾向好きな作家

1 2 3 ... 39
No.1160 5点 半七捕物帳- 岡本綺堂 2018/12/14 18:55
読み物としては楽しめました。ただミステリーとしてはどうなんだろうという疑問。「モルグ街の殺人」や「シャーロックホームズもの」と同様に、ミステリーとしての評価よりも歴史的意義に重点を置くしかないような(苦笑)。いわゆる探偵風味の「捕物帳」の嚆矢として。なお、解説の都筑道夫氏による「推理小説」説には抵抗を感じてしまいました。何故なら、「推理」というものがほとんどなく、閃きやハッタリ、さらに岡っ引きの立場を利用した強引さで事件を解決しているわけですから・・・。ミステリーという観点から辛目の採点となりました。悪しからず。

No.1159 6点 死にいたる火星人の扉- フレドリック・ブラウン 2018/12/10 09:42
登場人物表に「火星人・ヤッダン」とありますが、SFではありません(笑)。ただ、二つの殺人事件(密室、溺死)のうち、片方のハウダニットについては、私的には信じていないので、どちらかと言えばSF的発想と言えるのかもしれません。主人公の青年エドのキャラクターは捨てがたいい、いい味が出ていると思います。

No.1158 4点 メーラーデーモンの戦慄- 早坂吝 2018/12/06 10:04
過去の作品、特に前作を読んでいないと、どこがどう面白いのか分からない。特に主人公のキャラクターが不明。また休暇中の刑事が何を悩んでいるのかも分からない。

No.1157 6点 スマホを落としただけなのに- 志駕晃 2018/12/02 15:57
(ネタバレあります。)スラスラと読め楽しめました。ただ、チグハグした点(印象)があります。一つは犯人像が失敗では?という思いです。当初、彼女と付き合ってみたいという犯人の思いからスタートします。その為に色々工作をするわけですが、実はサイコキラーであったということです。サイコキラーなら、さっさと彼女を拉致して目的を達成すれば?と思ってしまいます。本書の目的は、落としたスマホから徐々に秘密を覗かれていくという恐怖感を描くことにあると思います。そして読者はどのような方法で犯人は彼女を自分に惹きつけようとするのか?と期待するはずです。結局、犯人がサイコキラーなので、色々な工作が無駄であったような気がして残念でなりません。いわゆる犯人像に関するギャップです。もう一点は、彼女の秘密が明らかにされるのですがインパクトがありません。秘密が暴かれるのではないかという心理描写がもっとあれば、ラストのどんでん返しが生きてきたと思います。非常に勿体ないです。なお、北川景子さん主演で映画化(未観)されており、彼女をイメージしながらの読書となりました(笑)。

No.1156 6点 リアルフェイス- 知念実希人 2018/11/29 18:52
裏表紙より~『美を創り出す芸術家のように、依頼者の顔を変える天才美容外科医・柊貴之。金さえ積めばどんな要望にも応える彼のもとに、奇妙な依頼が舞い込む。いまの妻の顔を前妻の顔に変えろ、ある男を別人にしてほしいなど。さらに、整形美女連続殺人事件の謎が……。』~

登場人物のキャラクターがラノベ風?なのか、かなり軽めです。天才美容外科医・柊が引き受ける整形手術が3本。短篇風で、それぞれオチがありました。その背後で柊の弟子で連続殺人鬼である神楽という人物が動き出すといった展開。スラスラ読めます。

No.1155 7点 華麗なる誘拐- 西村京太郎 2018/11/25 15:29
数ある誘拐ものの中で、これほど大胆なものはないのでは?。身代金の受け取り方法の発想も良い。犯人は早々に判明するので、フーダニットを期待する作品ではないと思います。探偵対犯人の頭脳戦を楽しむ作品ですね。

No.1154 7点 チャイナ・オレンジの秘密- エラリイ・クイーン 2018/11/19 13:13
フレデリック・ダネイ氏の自薦ベスト3の一冊、かつニューヨーク・タイムズが著者の最大傑作と激賞しているとのことで拝読。激賞のポイントは「あべこべ」のトリックではなく、「密室」にあると思いましたね。なるほどと唸りました(笑)。二つのドアのうち一つが開いているので密室でない、あるいは準密室との意見もあるようですが、見方を変えれば完全なる「密室」ですね。なお、登場人物表(角川文庫2015版)が意味不明であること、また題名に騙されたような気がしたことで減点しました。

No.1153 6点 春にして君を離れ- アガサ・クリスティー 2018/11/16 22:58
ミステリーではないので評価が難しい。現代では、あえて心理ミステリーとでもこじつけることは可能かもしれません。著者自身はミステリーとしてとらえていなかったようですね。それは、別のペンネームで出版し、推理モノを求める読者を失望させないよう、クリスティと同一人物と分からぬよう箝口令を敷いていたということからも窺えます。また自伝によれば、「この小説に私は『春にして君を離れ』という題をつけた。シェークスピアの十四行詩の冒頭の語「われ、そなたと春に遠からざる」から取った。この小説がどんなふうなものかは、もちろんわたし自身にはわからない。つまらないかもしれない、書き方がまずく、全然なっていないかもしれない。だが、誠実さと純粋さをもって書いた、本当に書きたいと思うことを書いたのだから、作者としては最高の誇りである。」ともあります。名作、しかしミステリーではない。悩んだ挙句、6点としました。


No.1152 6点 Nのために- 湊かなえ 2018/11/12 10:34
ミステリーとしての結末(真相)は、それなりの出来だと思います。本作は「愛のカタチ」と「ボタンの掛け違い」がメインテーマのような気がします。文学青年の作品「灼熱バード」が挿入されるなど、文学的要素が強いのか?。純朴な「青春ミステリー」と作者らしい「イヤミス」が融合している印象。

No.1151 6点 超特急つばめ号殺人事件- 西村京太郎 2018/11/09 11:51
裏表紙より~《「特急『つばめ』で、恐ろしいことが……」不可解な匿名の手紙が警視庁に届いた。往年の名列車を再現して走る特別列車(イベント・トレイン)での事件の予告、そして招待客の連続殺人! 十津川警部の推理は、43年前この列車内で起こったある事件に行き当たった。大胆な状況設定と意表をつくストーリー展開の、傑作トラベル・ミステリー!》~

昭和15年の記念列車「燕号」に関する手記と昭和58年の特別列車「つばめ号」(現在)が交互に語られます。「燕号」では、ある人物が車内から行方不明となった謎、「つばめ号」では連続殺人犯は誰かの謎で引っ張ります。時刻表トリックは無いので読み易かったですね。戦時下の物語でもあり、今では考えられないような事件(背景)で楽しめました。

No.1150 6点 恐怖の呼び声- ウィリアム・カッツ 2018/11/04 10:43
裏表紙より~『最初の夫を失い、再婚でつかのまの幸福を得ながら、今度は一人娘までも事故で失って悲嘆にくれるクリスタ。だが、死んだ娘の声が、思いもかけぬ事故の真相を彼女に告げる。しかも娘の溺死した湖には、まごうことなき殺人事件の証拠が残されていた。死者と交信してしまった彼女は、その告発をどう証明すればいいのか。犯人を暴くことはできるのか。恐怖と戦慄の長編小説。』~

三分の二を超えたところから裁判が始まります。‟死者との交信”を審判員がどう判断するのかが本作品(1979年)の読みどころです。検事と弁護士の駆け引きは楽しめました。「恐怖の幻影」(同著、1981年)に引き続き読んだため混乱をきたしました(苦笑)。内容が似ている点や、同じ人物(精神科医、新聞記者)が登場したためです。

No.1149 7点 恐怖の幻影- ウィリアム・カッツ 2018/10/30 10:49
~ヴェラは7歳の娘アニーと愛する夫ハリーと幸福な毎日を送っていた。ところが、夫が謎の失踪を遂げ、娘は高熱を出し失明の危機に。やがてアニーには予知能力があることが・・・。~

ジャンルがホラーであることを前提として読まなかったため、読後、やや違和感が残りました。しかし、筋の運び方は巧いし、反転やどんでん返しも用意されており十分楽しめました。

No.1148 6点 納骨堂の多すぎた死体- エリス・ピーターズ 2018/10/27 15:39
200年ぶりに納骨堂が開かれたのですが、本来あるはずの遺体はなく、数年前の遺体と、直近の死体の二体が発見されます。非常に魅力的な謎で、その点は楽しめました。一方、事件の謎ときと同時に、少年の成長物語が進行するのですが、そちらがどうもちぐはぐで、また別途のロマンスも中途半端な感じを受けてしまいました。

No.1147 8点 甲賀忍法帖- 山田風太郎 2018/10/22 17:48
~甲賀と伊賀は400年来の宿敵。家康は悩んでいる三代将軍の選定方法を甲賀・伊賀の両者の闘いに委ねた。甲賀が勝てば国千代、伊賀が勝てば竹千代が将軍の座につくというもの。各10名の忍者が選ばれた。戦いの方法は正々堂々の一対一ということではない。闇討ち、だまし討ち、何でもありの戦いで、最後まで生き残った者が勝ちとなるのであった。各10名の中に敵同士ではあるが、相思相愛の甲賀弦之介と朧(伊賀)の名があった。~

目次にある「甲賀ロミオと伊賀ジュリエット」が主題なのか?。バトル自体はSF的、ミッションインポッシブルをも彷彿させる。物語は歴史上、どちらが勝つかは大方の読者にはわかっているので、どのような方法で決着がつくのか?が最大のポイント。まあ、なにしろ決着までの奇想が素晴らしい作品。

No.1146 7点 雪と毒杯- エリス・ピーターズ 2018/10/21 13:32
ロマンス色の強い作品ですが、本格の王道を行くストーリー。非常に読み易い。一発で犯人が判明してしまうので、じわじわと論理的推理をするのが好きな人にとっては、あっさりし過ぎているかも・・・。二つの○が重要な役割を担っていて、十分楽しめた。イギリス作品ですが、ラストがフランス風でGOOD。

No.1145 7点 影丸極道帖- 角田喜久雄 2018/10/19 23:26
長い!上下2段430頁(講談社版)、さらに文字が小さい(苦笑)。まあ、時間がかかったけれども楽しめました。時代ミステリーですが、本格要素(HOW、WHY、WHO)は満載。どんでん返しも用意されていました。

No.1144 8点 硝子のハンマー- 貴志祐介 2018/10/15 15:11
流石のリーダビリティで一気読み。物理的密室の新機軸。第二部の倒叙式の斬新さ。主人公の裏稼業。ラストの口説き文句。VERY GOOD。

No.1143 6点 THE密室- アンソロジー(国内編集者) 2018/10/13 15:06
①「犯罪の場」飛鳥高 大学の実験室での殴打事件。凶器は鉄の棒。~物理的密室であまり面白くはなかった。4点。②「白い密室」鮎川哲也  雪の足跡密室。発見者二人の靴跡だけが残っていた。~探偵の推理部分が伏線であれば高評価。推理が唐突に感じられた。6点。③「球形の密室」泡坂妻夫 大富豪が球形シェルターの中で死亡。刺された痕と打撲痕があった。~発想が非常に面白い。8点。④「不透明な密室」折原一 社長(右翼)が執務室で刺殺された。その周辺には部下がいたのだが。~これも発想がいい。7点。⑤「梨の花」陳舜臣 閃光で目つぶしをくらい刺された。~物理的密室。4点。⑥「降霊術」山村正夫 陶芸家が降霊会のあった土蔵で刺殺された。~既存のパターンで目新しいものはなかった。5点。⑦「ストリーカーが死んだ」山村美紗 裸で町を走る女性が突然道路倒れ死んだ。彼女の住むマンションには見張りがいたのだが、どうやって外に出たのか。~なるほど! 6点。物理的密室は、よほどのことがない限り高得点はつけ辛い。

No.1142 5点 月明かりの男- ヘレン・マクロイ 2018/10/10 18:03
肩透かしを食った感じで、読後の印象はあまり良くない。一つは三人の目撃者の証言が食い違っているという謎がうまく機能していなかったこと。結果的には犯人特定に結びつくが、どうでもいいような感じであった。二つ目はギゼラ(女性秘書)が主人公に思わせぶりな態度をとり、恋に発展か?と期待するも、途中ではほとんど触れられることもなかった。そしてラストで急に主人公の彼女への思いが語られるのだが、それは唐突でしかなかった。ということで、二は本編の推理とはあまり関係ない書評ですが・・・(苦笑)。全体的には詰め込み過ぎといった印象の作品。

No.1141 6点 炎の女- 高木彬光 2018/10/05 16:52
「BOOK」データベースより~『私をこんな女にしたあの女、初恵が憎い―日陰の青春に悩む女・律子にきざした殺意。この殺意は仲の冷めきった初恵の夫・直樹の計画と合致した。ベッドで交わされた妄想は現実となり、殺人は成功。しかし、律子は何者かに襲われ、大火傷を負う。続いて起こる殺人事件。そして現場に残る“ミツコ”の香り…。検事・霧島三郎が、人間心理の深淵に挑む、シリーズ第五作。』~

倒叙形式からスタート。途中からは死んだはずの初恵が生きているのでは?とサスペンス感が盛り上がります。そして後半、本格推理に移行、十分楽しめました。ただ惜しいのは、意外な犯人像が唐突に感じられることです。推理段階では、かなり詳細にわたり動機などを検討していますが、そこには伏線らしきものがなかった。それは犯人の特定が消去法なのでやむを得ないかもしれませんが・・・。また犯人の告白がないため、真の動機やアリバイ工作、脅迫状、特に香水“ミツコ”の取り扱いについて不明のままで、もやもや感が残りました。

No.1140 8点 夏の王国で目覚めない- 彩坂美月 2018/09/30 13:13
裏表紙より~『父が再婚し、新しい家族になじめない高校生の美咲。だから、幻想的なミステリ作家、三島加深のファンサイトで加深が好きな仲間を知ったことは大きな喜びだった。だが“ジョーカー”という人物から【架空遊戯】に誘われ、すべてが一変した。役を演じながらミステリツアーに参加し、劇中の謎を解けば、加深の未発表作がもらえる。集まったのは7人の参加者。しかし架空のはずの推理劇で次々と人が消え…』~

第12回本格ミステリ大賞候補作。色々と突っ込みどころはあるのですが、期待していた以上に楽しめました。ツボに嵌まった感じです。目新しいトリックは無いのですが、架空劇と現実との世界がうまく料理されていました。架空劇では、別荘で転落死した女性の謎を解かなければならず、現実の世界では、劇を演じている自分たちを抹殺しようとする犯人を捜すというものです。つまり、謎を解明しながら、現実での危機を打開しなければいけないという多重構造のミステリーです。意外な点は○○の○○ミステリーであったことです。

No.1139 7点 螺旋- 山田正紀 2018/09/28 15:40
旧約聖書になぞった事件で、幻想的な雰囲気で物語が進みます。メインは全長6.5キロの地下水道に投げ込まれた死体が出口に流れ着かず、やがて海岸の船の上で発見されるというもの。島田荘司氏ばりの大トリックです。それ以上に感心したのが、「善と悪に対するある種の先入観が、事件そのものの全体像を微妙に歪ませている」という点にありました。

No.1138 7点 スウェーデン館の謎- 有栖川有栖 2018/09/24 17:35
足跡のない雪密室自体は、既存トリックの応用ですが、そこに至るトリックが秀逸。心理的盲点を突かれました。ただ、折れた煙突の扱いはしょぼい(笑)。

No.1137 6点 伊賀忍法帖- 山田風太郎 2018/09/20 14:52
裏表紙より~『戦国擾乱の世。主君筋の御台、右京太夫に邪恋を抱いた梟雄・松永弾正は、幻術師・果心居士配下の根来鴉天狗に美女狩りを命じる。美女の愛液からなる強力な媚薬、”淫石”を作らせ、籠絡しようというのだ。その毒牙に掛ったのは、伊賀忍者・笛吹城太郎の妻、篝火。死してなお犯され、弾正の愛人と首をすげ替えられたと知った城太郎は復讐を誓い、一人苛烈な闘いを七鴉天狗に挑んでゆくが・・・・・。奇想極まる山田忍法帖の代表作。』~

著者の忍法帖シリーズは初読です。何となくお色気路線のイメージが強かったのですが、その通り(笑)。まあ、ヒロー、ヒロインの純粋な恋情がエロ・グロさを薄めていますが・・・。主題は復讐にあるのですが、その復讐相手は史実では本物語の15年後まで生きています。では復讐は成し得なかったのか?・・・。実在の人物をうまく絡めて物語は構成されていますね。強いてジャンルを名付けるとすれば、「SF的伝奇時代小説」となるのでしょうか。

No.1136 7点 ささやく真実- ヘレン・マクロイ 2018/09/15 21:19
序盤での自白剤による暴露合戦や、英語を理解できない執事を雇ったつもりが、英語が喋れたなど、喜劇的要素もあり楽しめました。本作のメイン?のミスディレクションには、完全に翻弄されてしまいました(笑)。ミスディレクションのある事項が、犯人の特定に関係しているところなどは巧いと感心しました。

No.1135 6点 魔弾の射手- 高木彬光 2018/09/14 16:20
神津恭介シリーズ第3弾(1950)。意外な犯人、顔のない死体という点では高評価を付けたいと思います。ただし、犯人に関し好みでないものが含まれていた点が残念。題名の「魔弾」自体は、海外作品のパクリと言われても致し方ない(苦笑)。神津恭介への挑戦状からスタートし、展開はスピーディで読み易かった。

No.1134 6点 「法隆寺の謎」殺人事件- 深谷忠記 2018/09/09 18:41
サブタイトル『「はやぶさ(ブルー・トレイン)」180秒の逆転』から、時刻表トリックを想像したのですが、ある意味”逆転”を食らいました(笑)。探偵役がいま一つピンときません。探偵役が犯人像のヒントを出すのですが、決定的な推理(解決)は刑事役が行っています。主役が二人いるような感じで、どうもしっくりしません。まあ、「考える人」という探偵像なので致し方ない?。

No.1133 5点 赤後家の殺人- カーター・ディクスン 2018/09/08 20:13
全体に冗長で、単純なものを、わざと複雑化したような印象を受けてしまいました。よって、ごった煮のようでスマートさが感じられなかった。ハウダニット(毒殺)は好印象です。ただし、謎の声は拍子抜け…(苦笑)。

No.1132 6点 猫の舌に釘をうて- 都筑道夫 2018/09/04 11:27
講談社版・裏表紙より~『最愛の女有紀子が、友人塚本の妻になるや私の塚本への殺意はおさえられなくなった。だが塚本を殺せば有紀子も不幸になる。そこで考えたのが代償殺人行為だ。行きつけの喫茶店の常連に塚本そっくりの男がいる。彼のコーヒーに“毒”を入れよう!! ところが展開は意外や意外。ミステリの難題一人三役に挑んだ傑作。』~

「私はこの事件の犯人であり、探偵であり、そしてどうやら、被害者にもなりそうだ」。セバスチャン・ジャプリゾ氏の「シンデレラの罠」(1962)のキャッチコピーのようですが、本作の方が1年先行(1961)しています。その点は評価したいと思います。作中でニコラス・ブレイク氏に触れていることから、「野獣死すべし」(1954)のオマージュであることが窺えます。本自体への仕掛けは、まあ、あれこれ言うようなものではなかったですね(苦笑)。

No.1131 5点 カンヴァスの向こう側- フィン・セッテホルム 2018/08/31 15:34
絵画に触れることによって、その描かれた時代にタイムスリップしてしまうというファンタジー(児童書)です。この原則で現代にどうやって戻ってくるのか?という謎があります。それをどうしてうまく生かさなかったのか不思議でなりません。途中で著者は答え(伏線?)を出してしまって、ああ勿体ないと思っていたら、まったく関係ない方法で現代に戻ってきてしまいました。残念。まあ、6章で好きな「ダリ」が描かれ、その他で「荘子」や「ボッテチェリ」が登場したので+1点(笑)。

1 2 3 ... 39