パンやんさんの登録情報
平均点:6.49点 採点数:88件

TOPプロフィール高評価と近い人書評を見る

採点傾向好きな作家

1 2 3
No.88 7点 名探偵に薔薇を- 城平京 2018/09/02 11:27
何とも鮮やかな二部構成の本格ミステリにて、終盤の逆転に次ぐ逆転の畳み掛けに、第一部の辛味がピリッと効いてくるあたりは、なかなかの快作。意図された語り口の『メルヘン小人地獄』の世界観に、名探偵の苦悩が微妙に絡むあたり、類をみない異色作となった。まずはご賞味あれ。

No.87 7点 崩壊- 塩田武士 2017/06/04 18:53
堅実な文章、丁寧な描写に浮かび上がるリアルな群像の数々、警察小説に疎い小生にも、大阪の曽根崎、鶴橋と馴染みある舞台が嬉しい。ミステリーとしてより人間ドラマとしての読み応え、バブル経済の崩壊の向こうの再生を読み取りたい。

No.86 7点 鸚鵡楼の惨劇- 真梨幸子 2017/05/19 04:28
これぞ、真梨イヤミスの真骨頂!官能、ホラー、幼児性愛、猟奇的殺戮などこれでもかの波状描写も構成のうまさもあり実に楽しめる。あえてボカシてある不気味さ、モヤモヤ感もあり、もう思う存分嫌な読後を味わえますが、満足感にも浸れますぞ。

No.85 7点 殺意の構図- 深木章子 2017/04/29 10:35
放火の冤罪事件を巡って話が二転三転するも、すこぶる面白く、まさかまさかのエンディングに驚きのエピローグ。視点の変化による事件の立体化、見え隠れする毒殺犯の正体など、実に緻密でブラックながら、優しい視線も感じられて嬉しいのです。

No.84 6点 道徳の時間- 呉 勝浩 2017/04/23 10:21
賛否溢れる選評が面白い乱歩賞受賞作。ミステリーとしての謎かけが抜群で、どう転がっていくのか気になって、時を忘れて一気読み。確かにちょいとしたゴチャゴチャ感や、真相とのバランスは取れているとは言い難いが、最後まで楽しめましたよ。『道徳』の授業って何をしてたのかなあ。

No.83 7点 チェインドッグ- 櫛木理宇 2017/04/19 08:38
殺人鬼の冤罪を晴らす為、彼の背景に触れるうちに次第に惹かれ、取り込まれ、模倣し、同化していく過程がとてもわかりやすく怖い。サクッと読める文体の中に、チェインドッグ化してしまう人の脆さ、悲しさに実に考え込んでしまう小生も既に繋がれてしまったか。

No.82 5点 ある少女にまつわる殺人の告白- 佐藤青南 2017/04/05 11:02
インタビュー形式のミステリーは、読み易く、少しずつ全体像が浮かび上がってくると共に、何とも言えない違和感に引っ張られて一気読みとなる。実に計算され尽くしているうまさがあり、児童相談所の問題提起もよくわかるが、どうにも児童虐待、連鎖虐待が辛くてすこぶる後味悪し。

No.81 5点 あやまち- 沢村凜 2017/03/07 13:00
恋愛ミステリーというので、ちょいとトライしてみた。う~む、確かに恋愛もあり、ミステリーもあるにはあるが、冒頭のネタ振りの割りにはフツーに終わったなぁ~といったところ。ヒロインと尾行者との間に生まれるサスペンスが読み処であったか。

No.80 7点 衣更月家の一族- 深木章子 2017/02/14 12:24
これから起こる事件に絡みますよという前振りがあるも、全く解らない三件の殺人がそれぞれ面白く、探偵の登場によってパズルが仕上がる手際がお見事。って、その筆力の巧さに乗せられたかのよう。小生思うに著者は今、最高の書き手の一人ではあるまいか。痒いところに手が届くような心地よい語り口とでも云おうか。

No.79 7点 愚行録- 貫井徳郎 2017/02/07 11:51
それぞれの証言者たちの主観で築かれていく殺されたエリート家族の実像以上に、サイコパスとなった犯人が哀しい。キレる人はいるが、皆殺しにするという理性の欠けた人間が生まれる過程(家庭でもある)が怖い。目新しくはないが奇抜な構成のトリックの妙を堪能されたし。

No.78 6点 悪いものが、来ませんように- 芦沢央 2017/01/31 12:31
2人の女性の関係性と巻き起こる事件に関わる人々の証言から生まれる微妙な違和感の中で、フツーに騙されるも、このタイプのものにしては衝撃は小振り。ミステリーとしてより、一つの小説としてのエピローグのうまさ、女性作家ならではのタッチを味わいたい。

No.77 6点 猫間地獄のわらべ歌- 幡大介 2017/01/04 11:02
時代小説+ギャグ+ミステリーという試みで、実に読み易く、ミステリ論なんぞも飛び出してなかなか笑わせて楽しませてくれるが、ミステリーとしての驚きはというとねぇ~。わらべ歌問題編と解決編が突出して面白く、締めがちと弱いが、ラストのサプライズはうまし!

No.76 7点 砕け散るところを見せてあげる- 竹宮ゆゆこ 2017/01/03 11:04
ラノベといえど、これは鮮烈な読書体験であった。どういう展開になるのかどんどん進んでしまい、意外なラストに唸る。叙述トリックであったとは。それがちと解りにくくとも、時間のうねりを感じるような面白さがある。小生は見事に砕け散ったのであった。

No.75 5点 毒入りチョコレート事件- アントニイ・バークリー 2016/11/24 08:01
旧訳を手にしたとはいえ、実に読みづらく、どこまで著者の意図を理解出来たかは自信は無いが、後から次々と新証拠や新証人が出てきて推理の逆転ってズルくないか。と思ったが、5人目までが問題編で6人目を解決編とすれば、アリかなぁと。古典とはいえ、多重解決ものとしては?!

No.74 5点 ウツボカズラの甘い息- 柚月裕子 2016/11/11 23:35
緻密な描写と硬い文体の中に驚きの展開もあるにはあるが、どうにもペースが上がりにくかった本書。というか、デジャブ感満載で、目新しさが感じられずフツーの警察小説に見えてくる。真犯人に迫る過程もあまりに出来過ぎだが、可もなく不可もなくフツーに楽しめる良作。

No.73 7点 虚構推理- 城平京 2016/11/08 04:51
きょっ、きょ、虚構推理とは何ぞやって、真相を解くのではなくウソのロジックを万人に広め、真実を成立させるというもので、物の怪たちの跋扈する設定がどうかはさておき、練りに練られている。そう、このネット社会でこその虚構推理であったか、キャラ立ち最高、続編請う!

No.72 8点 そして誰もいなくなった- アガサ・クリスティー 2016/10/29 08:41
過去に友人のネタバレで避けてきたが、アレンジ、オマージュ、パロディが溢れてきたのもあり、新訳にて完読。実に読み易く大いに楽しめたが、インディアンが兵隊になっていたりして、古典の邦訳に相当の苦労が窺える。が、『殺しの双曲線』同様、名作は色褪せないのだ!

No.71 7点 忘却のレーテ- 法条遥 2016/10/17 18:09
『リライト』より断然解り易く、サクッと読める記憶リセットミステリー。ミステリーの手練れであれば気付くトリックなれど、あえて作者の術に嵌まっての種明かしを受けて、二度読みの恍惚に浸る作品であろうか。この軽い感覚の中に見え隠れするブラックな味わいが嬉しい。

No.70 6点 アクロイド殺し- アガサ・クリスティー 2016/10/07 08:28
クリスティーの古典的名作にして、叙述ものの歴史的意義のある本書。ほぼネタバレの為あえて避けてきたが、気にはなっていたので遂に読むに至った。さすがに驚きはないが、何気無い伏線の数々、ポワロの言動がとてつもなく面白い。白紙で臨みたかったなぁ〜(苦)。注意、反省!

No.69 7点 リライト- 法条遥 2016/10/06 08:31
脳みそフル回転で挑戦、タイムパラドックスミステリー!『七回死んだ男』を思わせる本書、よりブラックでより難解で解りにくいが、不安感を抱えたまま突入するラストの畳み掛けは圧巻。『リライト考察』などの検索のお楽しみもあり、シリーズ四部作全て読めば解るの?  

No.68 5点 深く深く、砂に埋めて- 真梨幸子 2016/10/03 07:43
諸作品ほどの読後感の悪さはなく、案外スッキリ纏まっているのが逆に物足りないが、真梨ワールド入門編としては丁度いいかも。狙いとはいえ、どうにも弁護士目線にイライラしてきて、奔放で欲望に純粋な有利子を、どの女優に当てて読み進めるかだけで読み切った次第。

No.67 7点 震える牛- 相場英雄 2016/09/24 07:42
日本経済問題の闇に切り込む警察小説ミステリー。地取り、鑑取り捜査で真相に近づく過程がとってもスリリング。怖いのは安い肉やBSEではなく、危険と知りながら目を背け忘れようとしたり、隠蔽して何も無かったとする倫理の低さ、正義の行動が裏切られる社会なのだ。 

No.66 6点 完盗オンサイト- 玖村まゆみ 2016/09/17 19:36
皇居の名盆栽を盗み出すトンデモクライムサスペンス。荒削りで構成も所々トッチラかっていて、第3の男などよくわからないが、全てを凌駕するパワーが作品に漲っていて、一気に読めてしまう。乱歩賞受賞作としては酷評も見られるが、主人公の造形といい、捨て難い魅力がある。

No.65 7点 ディーセント・ワーク・ガーディアン- 沢村凜 2016/09/10 20:12
ズバリ、労基官連作ミステリー!労使関係の微妙な暗部を明解に暴くので、ミステリーとして中々のカタルシス。又、監督官の心情に同調し揺さぶられ、真摯な姿勢に熱くなる。最終話がそのまとめとして、働く意義を高らかに謳い上げて、ちょいと恥ずいが気持ち良し。   

No.64 6点 東野圭吾公式ガイド- 事典・ガイド 2016/09/08 13:03
確かに1万人の人気ランキングは拍子抜けで、小生が読破していた初期作品群の扱いがほぼ無いのは残念。加えて、21位以下の作品の映像化データも欲しかったところ。映像化作品にハズレが少ないのも東野作品の凄さで、このガイド、自作解説(ボヤキに笑)あっての評価と思われよ。

No.63 6点 Nのために- 湊かなえ 2016/09/02 09:38
それぞれのNがそれぞれのNの為にするそれぞれが、微妙に狂っていくのは真面なNがいないから?これぞ一気読み必至!更に、(それぞれの十年後に)二度読みの面白さもある。それぞれの愛の形より、野バラ荘の件が学生時代の下宿先を思い出して、やっぱり仲間っていいねぇ〜(泣)。

No.62 6点 推定脅威- 未須本有生 2016/08/30 07:56
ズバリ、自衛隊戦闘機ミステリー!スクランブル発進の事故を女性エンジニアが追い、専門用語が飛び交って少々トッチラかるも、実に読み易い。ミステリーとして普通だが、業界ウラ話として楽しめ、何より自衛隊パイロットの心意気が嬉しく、危機意識も高まるのであった。   

No.61 6点 あの女- 真梨幸子 2016/08/20 07:04
夢か現つかの浮揚感の中のミスリード、男女の生々しさに梅毒が絡む怖さ、この不快感こそ真梨ワールド全開か。不動産屋の語りと字体、いろんなタイプの女の登場とその名前、男の鬼畜ぶりの酷さ、真犯人が一番マトモに見える辺り、クセになりますなぁ〜、うぅっ。

No.60 7点 天井裏の散歩者 幸福荘殺人日記- 折原一 2016/08/15 17:30
イラストの可愛さで借りたら、18年振りの再読。ほとんど忘れていたので、新鮮に楽しめ、もう叙述だの、連作構成だのより、ひたすら軽くて明るくて、出てくる住人たちがバカで狂っていて超笑える。すみかわ書店版よりカバーが断然よろしく、これにイカレタ小生も同類か。

No.59 6点 連城三紀彦レジェンド- アンソロジー(国内編集者) 2016/08/13 17:33
ミステリ作家たちが選んだ連城氏の入門書的アンソロジー。さすがに逸品ばかりで、その流麗で美しい文章に酔うが、短編とはいえど、結構な重量感に疲労困憊。どんでん返しの連続に驚くも、情念の世界が迫って来て、ミステリーを読んだ気がしないのは面白い。

1 2 3