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平均点:7.01点 採点数:193件

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採点傾向好きな作家

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No.193 6点 リカーシブル- 米澤穂信 2018/11/30 00:19
正直なところタイトルもピンと来ませんし、あらすじを読んでもあまり興味を引かれなかったのですが、私の好きな米澤作品でなおかつこのミス上位に入っていたので読んでみました。結果、やっぱり期待はずれでした。半分読んでも3分の2読んでも面白くならない。情景描写や回想が多いですし、伏線も次々に出てくる割に途中で回収されることがなくストレスが溜まりました。最後まで読んでしまわないと何も分からないタイプの作品で、「さよなら妖精」並みに読むのに根気が要りました。それで肝心の真相ですが、ちょっと無理があると思います。いつの時代なのかと。しかも結局何一つ解決してないですよね。

No.192 6点 許されようとは思いません- 芦沢央 2018/11/15 17:56
●許されようとは思いません 8点・・・表題作だけのことはあります。
●目撃者はいなかった 7点・・・「死刑台のエレベーター」ですね。でもこれ結局のところ真実を証言してやる義理はない気が。
●ありがとう、ばあば 7点・・・これはミスディレクションが上手かった。動機はそっちの方ですか。
●姉のように 5点・・・単純な叙述トリックですが、ネット掲示板の書き込みの「人間、自分が育てられたようにしか育てられないからね。」云々の部分がアンフェアだと思うのですが。
●絵の中の男 6点・・・悪くないプロットですが、独白というスタイルを採ったことがあまり成功していない気がしました。タイトルの付け方もどうなのか。

全体的に米澤穂信っぽい毒だと思いました。しかしながら米澤作品と比べると何か物足りない(表題作除く)。ストーリーテリングの差でしょうか。オチ以外印象に残らない話が多いですからね。あとタイトルの付け方がどうも上手くない気がするんですよね。後でタイトルを聞いて中身を思い出せるのは「ありがとう、ばあば」だけだろうなと思います。

No.191 7点 リバーサイド・チルドレン- 梓崎優 2018/10/25 23:59
ホワイダニットに重点を置いた作品。著者の短編「叫び」に近いものがあります。ミステリーというよりは文学作品として読むべき小説であり、「スタンド・バイ・ミー」のようなほろ苦さがあります。哲学的でやや難しいですが。一点気になったんですが、医者の所に乗り込むときに舟に置き去りにした墓守の少年のこと忘れてませんか?

No.190 6点 黒百合- 多島斗志之 2018/10/18 22:29
青春小説としては読めましたがミステリーとしてはいまいち。個人的に嫌いな類のオチなので。この手の騙しは安直に感じてしまうんですよね。話に謎が存在しないので読み進むモチベーションがなかなか持てませんでした。最後の最後に読者の考えていた構図をひっくり返してようやくミステリー色を出すわけですが、目玉となる相田真千子の正体もその人物に存在感がなかったので衝撃がそれほどありません。また、本の紹介文に「文芸とミステリの融合」というようなことが書かれていましたが、融合はしていないと思いました。分離して並存している感じです。

No.189 10点 かがみの孤城- 辻村深月 2018/10/07 00:28
期待以上の感動作。第三部から一気に面白くなりました。「閉城」で終わっても十分傑作でしたが「エピローグ」にやられました。ちなみにこの作者の作品を読むのはこれが初めてですが、リーダビリティの高さに驚きました。制服による気付き、街並みの食い違いを家に籠っているせいだと思わせておいてからのひっくり返しなどストーリー運びも上手い。本屋大賞のみならずこのミスでも上位に入っているのも納得です。

No.188 4点 殺人鬼フジコの衝動- 真梨幸子 2018/10/02 19:29
あとがきによる締めが強引でポカンとしてしまいました。イヤミスとよく言われますが、その域にも達していないと思います。心に嫌な気分どころか何も残らなかったですから。藤子の転落の過程も実に陳腐ですし、場面転換や時間の経過が上手く書き表せていないのにイライラさせられました。これは故意だと思いたいぐらいのものですが、仮に故意だとしても何の効果も上げられていません。
大きな疑問がひとつ。一家惨殺事件のとき妹は学校にいたんじゃないんですかねえ。姉は早退して帰ってきたはずなんですが。妹は実は生きているのでは?そして藤子の子どもを叔母として引き取ってループするのでは?と考えた人は多いと思うのですが、ミスディレクションだったのですかね。これも分かりにくい。
他にも、独白だと思っていたら会話文だったという箇所も多いですし、殺害シーンで藤子に「くっくっくっくくくく」とか言わせているのも上滑りしており痛々しい。とにかく文学的な趣が皆無です。同じくイヤミス女王と称される湊かなえや沼田まほかるに比べて力量はだいぶ劣るんじゃないでしょうか。

No.187 10点 屍人荘の殺人- 今村昌弘 2018/09/21 23:46
特殊設定をフルに生かしている。中盤までは設定の割に地味な展開でなかなか面白くならないなあと思っていましたが、解決編に入ってからは驚愕の連続でした。クローズドサークル、緻密な論理、叙述トリック、人間ドラマ、私がミステリーに求めているものが全て入っていました。○○○の描写にはあまり筆力は使われていないのですが、多くの人が見たことがあるであろうその手の映画のおかげで具体的なイメージを持って読めるようになっています。その辺りも上手いですね。○○さんは絶対生きてると思ってましたけど、殺しちゃってよかったのかな?しかしデビュー作でこんなに完成度の高い傑作を書いてしまって今後大丈夫なのか気がかりではあります。杞憂だといいのですが。

No.186 7点 真実の10メートル手前- 米澤穂信 2018/09/17 19:12
●真実の10メートル手前 7点・・・「満願」のあの話みたいなオチですね。今回のこのオチは蛇足なのでは。後味を悪くする必要があったのでしょうか。文字通り手前で終わっておけば。
●正義漢 8点・・・短いながら視点の切り替えが見事に決まった一編。
●恋累心中 8点・・・「満願」のあの話みたいな動機ですね。それが今回は他人に害を及ぼしているから始末が悪い。心中の方の動機はありがちです。
●名を刻む死 6点・・・読み終わっても「名を刻む死」というレトリックがいまいちピンと来ず。
●ナイフを失われた思い出の中に 9点・・・これが一番。なかなか泣かせますね。ちょっと展開が都合よすぎる気もしますが。「さよなら妖精」の書評でも書きましたが、こんなすごい手記を書く10代はいないでしょ(笑)
●綱渡りの成功例 5点・・・それだけのこと?と思ってがっかりしました。そんなことで誰も責めないと思うのですが。完成度は一番低い。この短編集を出すために急いで書き下ろしたのでしょうか。

No.185 8点 ユリゴコロ- 沼田まほかる 2018/09/04 20:32
いかにも女性が書きそうなドロドロした恋愛小説だなあと思って読んでいましたが、後半の急展開にやられました。「イヤミス」と呼ばれており、胸糞悪い殺人鬼の話ではあるんですが、後味は悪くないんですよね。映画「マディソン郡の橋」を思い出しました。ノートの記述だけでなく父親の告白でもフォントが変わる演出がニクい。

No.184 7点 叫びと祈り- 梓崎優 2018/08/26 16:36
独特の硬質な文章でちょっと読みにくかったです。主人公の人となりがあまり見えませんし。全体的に紀行文としては面白いですがミステリーとしては微妙な出来でしょうか。「凍れるルーシー」の猫が鳴いた回数や「叫び」の川で服を洗う時間の論理などがちょっと頼りない。

No.183 8点 王とサーカス- 米澤穂信 2018/07/31 21:54
殺人事件自体はそう大したことはないけど、それに付随して起きたことがすごかった。糞坊主に腹立ちますね。タイトルもしかして「オートフォーカス」とかけてます?違いますか(笑)

No.182 6点 ボトルネック- 米澤穂信 2018/07/25 01:16
後味悪いですね(笑)回想シーンでノゾミがイチョウのおばあさんを「殺してやりたい」とか言ったときに、何かおかしな方向に行っちゃうんじゃないかという予感はしましたが。タイムパラドックス系と言いますかパラレルワールド系と言いますか、こういうタイプの作品でバッドエンドってあまり記憶にありません。設定や展開は大変面白かったので、感動系に仕立てて欲しかったですねえ。百歩譲ってバッドエンドでもいいんですけど、もっと上手い終わり方があったのではないでしょうか。ちょっと難解な終わり方をしたせいでどうもすっきりしないです。

No.181 7点 鬼の跫音- 道尾秀介 2018/07/21 01:07
途中まではいまいちな感じでしたが、最後の2つ「冬の鬼」と「悪意の顔」がすごかった。「冬の鬼」は冒頭での謎の提示、そして1日ずつ遡っていく日記という構成がよかったです。7日前にどんなことをやらかしたのかという興味で引き込まれました。伏線もばっちり。「悪意の顔」はSFなのか妄想なのかというシーソーゲーム。最後の最後にはっきりするのですが、その直前のSの一瞬の変貌に含みを持たせているのも効果的。主人公の母親がデザイン事務所に勤めているのが伏線かと思ってちょっと混乱しちゃいましたけど。その他には「よいぎつね」で残された謎の解答を次の「箱詰めの文字」の作中作で示したのには唸らされました。しかしこの作者の「S」と「鴉」に対するこだわりは何なのでしょうか(笑)

No.180 6点 ジェリーフィッシュは凍らない- 市川憂人 2018/07/13 02:24
「ジョジョの奇妙な冒険」のような、ウイダーインゼリーを冷凍庫に入れようとする人への注意のような洒落た(?)タイトルの作品。文章が読みやすく展開も速いのでグイグイ引き込まれました。しかし竜頭蛇尾。一方だけを描写するというのは叙述トリックとしてはちょっとあざとく感じるんですよね。一団のキャラ造形はステレオタイプで、「エイリアン」や「インビジブル」等のハリウッド映画のよう。事件の背景は「金田一少年の事件簿」のよう。「21世紀の『そして誰もいなくなった』」と評される割にはそれほど新しさを感じません。しかし「DNA鑑定のない時代ですよ」と登場人物の雑談で念押しをする手法は素敵でした。

No.179 7点 片眼の猿- 道尾秀介 2018/07/08 00:21
殺人事件の解決などどうでもよく、私の関心事は「冬絵の能力はいつ発揮されるんだ?何のために雇ったんだ?作者は何か忘れてるのか?」ということでしたが、見事に作者の術中に嵌ってしまいました。最終盤のネタバラシで×××のオンパレードなのがこの作品のデリケートなところですから、好みは分かれるでしょうか。

No.178 6点 死神の浮力- 伊坂幸太郎 2018/07/03 18:21
結末が読めるんですよねえ。その先に更にサプライズがあると思っていたんですけど特に何もなくて、それで終わり?という感じでした。それも伏線だったのかと思う箇所がある反面、あれは伏線じゃなかったのかと思う箇所もあります。「一週間の生涯なら、百年でもささげるべきである」の下りや、レインコートの男が殺された件です。その辺がどうも荒いんですよね。前作「死神の精度」の方が断然よかったです。麻耶雄嵩の神様シリーズと同じで、短編向きの設定ではないでしょうか。

No.177 8点 ジェノサイド- 高野和明 2018/06/12 19:43
えらい作品を読んでしまった。どこまでが本当でどこからが虚構か分からないです。特に理系部分。東野圭吾が「超理系殺人事件」で言ってたのってまさにこの作品ですね。結構な斜め読みで読みましたが、それでも読了に5日かかりました。スケールも地球規模でとにかくすごい作品なのは確かです。タイトルから想像できる通り残虐描写もありますが、アフリカって現実でもこんなんなんでしょうねえ・・・

No.176 7点 インシテミル- 米澤穂信 2018/06/02 03:00
だいぶ前に映画を先に観ていたんですが、内容をほぼ忘れたのもあって今回読んでみました。久々に評価の難しい作品ですねえ。作者がミステリー大好き、クローズドサークルもの大好きなのはひしひしと伝わってきますし、意欲作ではあります。私自身もクローズドサークルものは大好きで、特に「時計館の殺人」の舞台設定に似ている本作は大変楽しく読ませてもらったのは確かです。ただ、武器にメモランダムにカードキーにとアイテムが多すぎて混乱しますし、賢いキャラだった人物が終盤に突然どうしようもないアホな推理を披露するところや、探偵が間違った人物を犯人と指摘した場合に探偵は報酬減額されるのに助手はされないルール等にご都合主義を感じました。可もあり不可もありで7点というところでしょうか。

No.175 6点 さよなら妖精- 米澤穂信 2018/05/14 20:58
数年前に出た新装版の単行本を読みました。博物的に勉強になる部分は多いんですが(特に東欧の歴史)、物語に大きな展開がないのでちょっと退屈に感じました。ミステリー的主題が母国を突き止めることのみというのも渋いですし。個人的にはマーヤはいくつか謎を残して帰国するものだと思っていたのですが。ただ、随所にちりばめられた伏線から消去法で真実を突き止める手法には「折れた竜骨」の原型を見た気がします。新装版のボーナストラック「花冠の日」は追加して正解でしょう。カタストロフィは変わりませんが、後味の悪さが少しだけ和らいだ感じがします。最後にひとつだけ。こんなしっかりした長大な日記を書く高校生はいないでしょう(笑)

No.174 9点 追想五断章- 米澤穂信 2018/05/03 23:20
単行本でわずか230ページほどの作品ですが、そう感じさせないほどに密度の濃い作品でした。リドルストーリーという物を逆手に取った展開は見事。米澤作品の中では「折れた竜骨」に次ぐぐらいの出来ではないでしょうか。難を言えばタイトルですかねえ。堅苦しくてとっつきにくい。でもむしろこれがいいのかなあ。しかし全体に流れる物悲しさが何とも言えませんね。登場人物はみんな不幸ですし。

No.173 8点 星降り山荘の殺人- 倉知淳 2018/04/20 20:07
「過ぎ行く風はみどり色」を読んだついでに再読しました。章初めの注意書きによる大技ミスディレクションばかりが印象に残っていましたが、それを除いても本格ミステリーとして面白い。メインの謎が大いなる偶然によって成立しているところは「過ぎ行く風はみどり色」と同じではありますが。しかしこの作品の犯人の逆ギレっぷりはミステリ史に残りますね(笑)

No.172 9点 過ぎ行く風はみどり色- 倉知淳 2018/04/12 22:57
視点人物が二人いることの必然性を考えると叙述トリックを疑いはしましたが、これは明かされるまで分かりませんでした。読み返してみると茶封筒の忘れ物の件や着物の帯の件など伏線もしっかり張られており感心しました。第2の殺人のやり方はちょっと難しいんじゃないかとは思いますが。

追記 皆さんの書評を読んでいて思いましたが、取り違えに気付いていたのは例の2人組だけですよね。誤解があるようなので指摘しておきます。

No.171 7点 怪盗グリフィン、絶体絶命- 法月綸太郎 2018/04/09 19:46
アルセーヌ・ルパンも全く読んでいないぐらいで普段手を出さない分野なのですが、なかなか楽しめました。ミステリーランドレーベルの作品ですが、子どもにはちょっと難しいかも。二転三転どころか四転ぐらいしていて、事の成り行きがどうだったのかを完璧に理解しようとするのはなかなか骨が折れます。特に「大統領のジレンマ」のあたりが難しいですね。あんまり深く考え過ぎない方がいいのかもしれません。

No.170 6点 龍神の雨- 道尾秀介 2018/03/27 19:22
「シャドウ」や「ラットマン」の系譜、さらに貴志祐介「青の炎」を彷彿させる展開の本作ですが、ちょっと期待外れでした。真犯人(?)の正体に驚くよりも引いてしまったんですよね。後味も悪いですし。雨のせいでも何でもなく、全部あいつのせいでしょう。全編に渡って使われている「龍」の比喩もあまり効いていないような。散々「龍」に例えられた人物が、終わってみれば何も大したことなかったですからねえ。それとこの作品の柱になっている「脅迫者」ですが、楓はなぜ迷いなく××だと思ったんでしょうか。まず××の方を疑いませんか?最後に、2段ベッドが揺れるミスリードは分かりにくいですよ(笑)××××しようとすまいと彼に対する心証に影響はあまりありませんし。

No.169 9点 カラスの親指- 道尾秀介 2018/03/22 18:46
「シャドウ」に比肩する出来。あるいは超えているかも。テツさんの正体についてはちょっと考えはありましたが、ここまで壮大な話だとは思いませんでした。各章サブタイトルの中にさり気なくネタバレを混ぜる手法がニクい。冒頭の銀行での詐欺に違和感(そのやり方でどうやって成功させられたの?という)があったのも伏線でしたか。

No.168 7点 儚い羊たちの祝宴- 米澤穂信 2018/03/16 17:15
暗黒ミステリとも称されるイカれた短編集。そのイカれ具合が「玉野五十鈴の誉れ」までは程よかったんですが、最後の「儚い羊たちの晩餐」がさすがにやり過ぎなので1点マイナスしておきます。彼女がなぜあれを引き受けたのかが全く理解できません。この短編集はキ印の人がいっぱい出てきますが、彼女は間違いなく一番のそれでしょう。もう一つ腑に落ちないのは、対象が全てなのは彼女のこれまでの仕事ぶりから簡単に予測できたのではないかという点です。最後の最後に破綻してしまった、もったいない短編集でした。

No.167 8点 死神の精度- 伊坂幸太郎 2018/03/13 19:42
「死神の浮力」を読もうと思ったのですが、前作の内容を完全に忘れてしまっていたので復習がてら再読しました。文句なしに面白かったのは「死神と藤田」です。設定を生かした見事な終わり方でした。「旅路を死神」は感動的な話ですが、死神はあまり関係ありませんでした。全体的に「可」か「見送り」かで迷うところをもう少し見たかった気がします。

No.166 8点 ラットマン- 道尾秀介 2018/02/26 17:22
とても読み易くてなおかつ続きが気になり一気に読めます。過去の事件と現在の事件両方に「錯誤」があり、それは読者に対しても仕掛けられています。まんまと騙されました。ミスディレクションの方向性が氏の先行作品と似ていますが。

No.165 6点 ソロモンの犬- 道尾秀介 2018/02/22 20:01
サプライズはカフェパートの正体ぐらいですかねえ。物語があまり心に残らない。主人公たち四人と椎崎鏡子・陽介親子の間にもう少し接点を持たせて欲しかった。四人の中に犯人がいるとはとても思えなかったので。

No.164 9点 首無の如き祟るもの- 三津田信三 2018/02/01 21:41
伏線の提示と回収のサイクルが絶妙で、各章の長さも丁度よく読み進めやすい。何より終盤のどんでん返しの連続は圧巻。全体の構成が非常に凝っており、巷で高評価なのも頷けます。ただ前半は私の好きな旧家の物語だったのに、後半は物書きの人たちの方に焦点が動いてしまったのがちょっと残念。
この刀城言耶シリーズはこの作品しか読んでいませんが、この作品における刀城言耶の立ち位置をみると、これ以前の作品を読んでから読んだ方が驚きも増したのかなと思います。
本格ミステリーとしては満点を差し上げたいのですが、トータルで10点を付けるには読了後に心に残るものにどうも乏しいんですよね。それはプロットの複雑さゆえ登場人物が記号化しちゃってるせいなのか、はたまたホラー的なオチのせいなのか。
余談ですが栄螺塔の図解を見て、この塔の構造を利用した島田荘司ばりの大技物理トリックが使われるに違いないと勝手に期待してワクワクしていたので肩透かしを食らいました(笑)

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