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平均点:7.01点 採点数:177件

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採点傾向好きな作家

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No.177 8点 ジェノサイド- 高野和明 2018/06/12 19:43
えらい作品を読んでしまった。どこまでが本当でどこからが虚構か分からないです。特に理系部分。東野圭吾が「超理系殺人事件」で言ってたのってまさにこの作品ですね。結構な斜め読みで読みましたが、それでも読了に5日かかりました。スケールも地球規模でとにかくすごい作品なのは確かです。タイトルから想像できる通り残虐描写もありますが、アフリカって現実でもこんなんなんでしょうねえ・・・

No.176 7点 インシテミル- 米澤穂信 2018/06/02 03:00
だいぶ前に映画を先に観ていたんですが、内容をほぼ忘れたのもあって今回読んでみました。久々に評価の難しい作品ですねえ。作者がミステリー大好き、クローズドサークルもの大好きなのはひしひしと伝わってきますし、意欲作ではあります。私自身もクローズドサークルものは大好きで、特に「時計館の殺人」の舞台設定に似ている本作は大変楽しく読ませてもらったのは確かです。ただ、武器にメモランダムにカードキーにとアイテムが多すぎて混乱しますし、賢いキャラだった人物が終盤に突然どうしようもないアホな推理を披露するところや、探偵が間違った人物を犯人と指摘した場合に探偵は報酬減額されるのに助手はされないルール等にご都合主義を感じました。可もあり不可もありで7点というところでしょうか。

No.175 6点 さよなら妖精- 米澤穂信 2018/05/14 20:58
数年前に出た新装版の単行本を読みました。博物的に勉強になる部分は多いんですが(特に東欧の歴史)、物語に大きな展開がないのでちょっと退屈に感じました。ミステリー的主題が母国を突き止めることのみというのも渋いですし。個人的にはマーヤはいくつか謎を残して帰国するものだと思っていたのですが。ただ、随所にちりばめられた伏線から消去法で真実を突き止める手法には「折れた竜骨」の原型を見た気がします。新装版のボーナストラック「花冠の日」は追加して正解でしょう。カタストロフィは変わりませんが、後味の悪さが少しだけ和らいだ感じがします。最後にひとつだけ。こんなしっかりした長大な日記を書く高校生はいないでしょう(笑)

No.174 9点 追想五断章- 米澤穂信 2018/05/03 23:20
単行本でわずか230ページほどの作品ですが、そう感じさせないほどに密度の濃い作品でした。リドルストーリーという物を逆手に取った展開は見事。米澤作品の中では「折れた竜骨」に次ぐぐらいの出来ではないでしょうか。難を言えばタイトルですかねえ。堅苦しくてとっつきにくい。でもむしろこれがいいのかなあ。しかし全体に流れる物悲しさが何とも言えませんね。登場人物はみんな不幸ですし。

No.173 8点 星降り山荘の殺人- 倉知淳 2018/04/20 20:07
「過ぎ行く風はみどり色」を読んだついでに再読しました。章初めの注意書きによる大技ミスディレクションばかりが印象に残っていましたが、それを除いても本格ミステリーとして面白い。メインの謎が大いなる偶然によって成立しているところは「過ぎ行く風はみどり色」と同じではありますが。しかしこの作品の犯人の逆ギレっぷりはミステリ史に残りますね(笑)

No.172 9点 過ぎ行く風はみどり色- 倉知淳 2018/04/12 22:57
視点人物が二人いることの必然性を考えると叙述トリックを疑いはしましたが、これは明かされるまで分かりませんでした。読み返してみると茶封筒の忘れ物の件や着物の帯の件など伏線もしっかり張られており感心しました。第2の殺人のやり方はちょっと難しいんじゃないかとは思いますが。

追記 皆さんの書評を読んでいて思いましたが、取り違えに気付いていたのは例の2人組だけですよね。誤解があるようなので指摘しておきます。

No.171 7点 怪盗グリフィン、絶体絶命- 法月綸太郎 2018/04/09 19:46
アルセーヌ・ルパンも全く読んでいないぐらいで普段手を出さない分野なのですが、なかなか楽しめました。ミステリーランドレーベルの作品ですが、子どもにはちょっと難しいかも。二転三転どころか四転ぐらいしていて、事の成り行きがどうだったのかを完璧に理解しようとするのはなかなか骨が折れます。特に「大統領のジレンマ」のあたりが難しいですね。あんまり深く考え過ぎない方がいいのかもしれません。

No.170 6点 龍神の雨- 道尾秀介 2018/03/27 19:22
「シャドウ」や「ラットマン」の系譜、さらに貴志祐介「青の炎」を彷彿させる展開の本作ですが、ちょっと期待外れでした。真犯人(?)の正体に驚くよりも引いてしまったんですよね。後味も悪いですし。雨のせいでも何でもないよ。全部あいつのせいだよ。全編に渡って使われている「龍」の比喩もあまり効いていないような。散々「龍」に例えられた人物が、終わってみれば何も大したことなかったですからねえ。

No.169 9点 カラスの親指- 道尾秀介 2018/03/22 18:46
「シャドウ」に比肩する出来。あるいは超えているかも。テツさんの正体についてはちょっと考えはありましたが、ここまで壮大な話だとは思いませんでした。サブタイトルでネタバレしてたんですね。冒頭の銀行での詐欺に違和感(そのやり方でどうやって成功させられたの?という)があったのも伏線でしたか。

No.168 7点 儚い羊たちの祝宴- 米澤穂信 2018/03/16 17:15
暗黒ミステリとも称されるイカれた短編集。そのイカれ具合が「玉野五十鈴の誉れ」までは程よかったんですが、最後の「儚い羊たちの晩餐」がさすがにやり過ぎなので1点マイナスしておきます。彼女がなぜあれを引き受けたのかが全く理解できません。この短編集はキ印の人がいっぱい出てきますが、彼女は間違いなく一番のそれでしょう。もう一つ腑に落ちないのは、対象が全てなのは彼女のこれまでの仕事ぶりから簡単に予測できたのではないかという点です。最後の最後に破綻してしまった、もったいない短編集でした。

No.167 8点 死神の精度- 伊坂幸太郎 2018/03/13 19:42
「死神の浮力」を読もうと思ったのですが、前作の内容を完全に忘れてしまっていたので復習がてら再読しました。文句なしに面白かったのは「死神と藤田」です。設定を生かした見事な終わり方でした。「旅路を死神」は感動的な話ですが、死神はあまり関係ありませんでした。全体的に「可」か「見送り」かで迷うところをもう少し見たかった気がします。

No.166 8点 ラットマン- 道尾秀介 2018/02/26 17:22
とても読み易くてなおかつ続きが気になり一気に読めます。過去の事件と現在の事件両方に「錯誤」があり、それは読者に対しても仕掛けられています。まんまと騙されました。ミスディレクションの方向性が氏の先行作品と似ていますが。

No.165 6点 ソロモンの犬- 道尾秀介 2018/02/22 20:01
サプライズはカフェパートの正体ぐらいですかねえ。物語があまり心に残らない。主人公たち四人と椎崎鏡子・陽介親子の間にもう少し接点を持たせて欲しかった。四人の中に犯人がいるとはとても思えなかったので。

No.164 9点 首無の如き祟るもの- 三津田信三 2018/02/01 21:41
伏線の提示と回収のサイクルが絶妙で、各章の長さも丁度よく読み進めやすい。何より終盤のどんでん返しの連続は圧巻。全体の構成が非常に凝っており、巷で高評価なのも頷けます。ただ前半は私の好きな旧家の物語だったのに、後半は物書きの人たちの方に焦点が動いてしまったのがちょっと残念。
この刀城言耶シリーズはこの作品しか読んでいませんが、この作品における刀城言耶の立ち位置をみると、これ以前の作品を読んでから読んだ方が驚きも増したのかなと思います。
本格ミステリーとしては満点を差し上げたいのですが、トータルで10点を付けるには読了後に心に残るものにどうも乏しいんですよね。それはプロットの複雑さゆえ登場人物が記号化しちゃってるせいなのか、はたまたホラー的なオチのせいなのか。
余談ですが栄螺塔の図解を見て、この塔の構造を利用した島田荘司ばりの大技物理トリックが使われるに違いないと勝手に期待してワクワクしていたので肩透かしを食らいました(笑)

No.163 6点 2分間ミステリ- ドナルド・J・ソボル 2017/10/18 00:40
全71問から成る推理クイズ集。
恥ずかしながら7割方の問題が分からなかったのですが、解答編を読んでも「必ずしもそうとは言い切れないんじゃ?」と思うことがしばしば。素直に「なるほど」と思えたのは両手の指で数えるほどですかね。
問題編に関しても、2分間ミステリと銘打っている以上問題文を短くするためにやむを得ないのかもしれませんが、説明不足で状況が分かりにくい部分が所々あります。
続編が2冊あるようですが、読むかどうかは迷うところです。
余談ですが、どうしても分からないのがQ63の「ルーベンス盗難事件」です。パーシー・キルブルーが右利きだと問題編のどこかに書いてありますかね?

No.162 6点 黒笑小説- 東野圭吾 2017/08/14 22:59
「怪笑小説」「毒笑小説」を読んだのがもう10年以上前のこと。久しぶりにこのシリーズに手を出しました。
エンタメに徹していた前2作とは異なり、作者の欲求不満解消や出版業界に対する鬱屈した感情のはけ口になってる作品が多い感じがします。どちらかと言えば「超・殺人事件」とかの方に近いかもしれません。
「臨界家族」と「選考会」でプラス1点しておきます。このシリーズはどうも6点ぐらいの評価になっちゃいますね。ワーストは「ストーカー入門」ですかね。

No.161 7点 ぼっけえ、きょうてえ- 岩井志麻子 2017/08/01 17:37
コメントしてる人少ないかなとは思っていましたが、まさかNo.1ゲットとは(笑)この作品って結構有名じゃないんですかね。
表題作を含む四編から成るホラー短編集。「ぼっけえ、きょうてえ」「密告函」は人間の怖さを描いた話。「あまぞわい」「依って件の如し」は亡霊が出てくるタイプの話。
驚愕のオチで肝を冷やすというタイプの作品群ではありません。オチ自体は読んでいるうちに何となく見えてきます。しかしながら筆力、リアリティが抜群で、明治時代の村社会の風俗が手に取るように分かります。さらには一つの文が短く、小気味いいテンポを作り出しています。ホラーとしてというよりも物語として面白く読めました。

No.160 9点 ゴールデンスランバー- 伊坂幸太郎 2017/07/23 23:37
全部読み終わった後で「ああ、そういう話か」と分かるタイプの作品ですね。
本来の犯人候補であった人物のことなど、謎をもう少し解き明かしていく作品かと思っていたので拍子抜けした部分はありましたが、それを帳消しにしてもいいかと思えるくらいラストシーンが感動的でした。

No.159 5点 世界の終わり、あるいは始まり- 歌野晶午 2017/07/12 22:16
父親の行動の描写ばっかり、しかもどうせ妄想なんだろうという退屈で緊張感のないところを我慢して長いこと読み進めて、最後は結局何もないんかいという感じです。
リドルストーリーなのは分かりますが、持って行き方がちょっと下手です。
しかしこの父親は小説家になればいいのに。

No.158 10点 折れた竜骨- 米澤穂信 2017/07/05 02:51
これは凄い。SFミステリーとして山口雅也「生ける屍の死」に匹敵するかも。目次の各章タイトルを眺めただけで傑作の匂いがプンプンしましたもんね。現在のところ私が10点を付けた作品の中では唯一の21世紀の作品となります。

No.157 6点 どんどん橋、落ちた- 綾辻行人 2017/06/27 18:39
綾辻行人の稚気による自虐炸裂の短編集。館シリーズなど、氏の他の作品を読まずにいきなりこれを読んだ人は全く楽しめないのではないでしょうか。これはちょっと他の作品と同じ尺度では評価できませんので、点数は本来「採点不能」にしたいところですが・・・
「どんどん橋、落ちた」「ぼうぼう森、燃えた」「フェラーリは見ていた」とぶっ飛ばして来たのに、「伊園家の崩壊」でいきなり真面目になった感じがします。「伊園家の崩壊」はよく出来ている話であるのに、前3作の後だと「つまらない」と感じてしまうのは何故なのか(笑)

No.156 8点 消失!- 中西智明 2017/06/19 23:44
久々に騙されました。違和感はずっとあったのですが、ユカの隣のベッドのおばさんの独白を挿入して読者の思い込みを補強する手段などは上手いと思います。
ただ、終盤までややコミカルな調子で話が進んできたので、読後感がこんなに悪いものになるとは思いませんでした。少なくとも探偵社パートだけはハッピーエンドにしてほしかった気がします。
それに他の方も書いていますが、ストーリーテリングの粗さがありますね。第二章の「2 裕二」の最後にある犯人の独白は、あそこに挟むのはアンフェアなのでは?「ふたりが部屋を出ていくと」はちょっと駄目でしょう。場面が離れすぎています。また、第三章の初めの「別人」の章は、あそこをそんなに思わせぶりに書く必要があったのでしょうか。
ただ、文章そのものに関してはまあまあ読みやすいですし、登場人物の心理描写も上手いと思います。

No.155 9点 戻り川心中- 連城三紀彦 2017/06/09 01:53
この作品を読むのは今回で3回目ぐらいになるのですが、毎回「戻り川心中」以外の4編の筋を綺麗さっぱり忘れてしまっています。どれも良作なのに何故なのでしょう。でもそのお蔭で毎回新鮮な気持ちで再読できるのでよしとします(笑)

No.154 7点 奇面館の殺人- 綾辻行人 2017/05/24 22:58
これぞ館シリーズという、王道の舞台設定と展開。十角館や時計館には及ぶべくもないですが、平均的な出来でそれなりに楽しめます。
序盤は迷路館の、そして段々と水車館のテイストが出てきます。
登場人物表がないことにきっと何か意味があるのだろうと思っていましたが、なるほどこの設定ならそうせざるを得ないですね。その辺の苦しさを最後に作中人物の鹿谷の口から弁明させているのが良いのか悪いのか・・・
推理面での疑問点を。殺人事件に関して、鹿谷たちに動機面からのアプローチもさせておくべきだったのではないでしょうか。あと、雪に閉じこめられなかったら犯人はどうしていたのかという点も考えさせておくべきだったのでは。等々推理の定石をいくつか外しており、不自然さを感じました。本格パズラーとは言え作者の単なる予定調和にはならないよう、その辺りのリアリティには気を配ってほしいと思いました。

No.153 8点 満願- 米澤穂信 2017/05/16 20:31
「夜警」は伏線がちょっと分かりやすかったかもしれません。
「万灯」は冒頭の現在を受けてのオチの裏切りが見事。森下が急にヘタレになりすぎるところに違和感は残りますが。
「関守」は世にも奇妙な物語みたいな話。この短編集で一番完成度が高いのではないでしょうか。「サエノカミ」というキーワードを隠して話を進め相手の様子を窺うお婆さんの語り口が見事。
表題作「満願」は動機にいまひとつ納得できませんでした。人を殺すほどのことなのか。

No.152 9点 さよなら神様- 麻耶雄嵩 2017/05/11 19:07
神様ゲームよりこちらの方が楽しめました。
この設定は短編向きですね。
第4章、第5章が衝撃的でした。
ただ、最終章が死ぬほど胸糞悪い。

No.151 7点 毒入りチョコレート事件- アントニイ・バークリー 2017/03/23 00:52
読む前は事件パートと推理パートが独立していて会議室では無機質な推理合戦が繰り広げられるのかと思っていましたが、相互が絡み合うことで事態は複雑な展開をみせます。毎晩一人ずつ推理を披露するという趣向も面白い。
しかしながら、最後に明かされる真犯人の正体にどうも驚けない。その原因は途中で一度他の研究会メンバーに容疑がかかっていることが大きいでしょう。しかも真犯人の名前は痴情絡みで唐突に浮上しており、これだったら別に誰が真犯人でもよかったかなと思わされます。
さらに全体に渡って事件的な面白さも物語的な面白さもほぼありません。構成点のみで7点です。

No.150 8点 夜よ鼠たちのために- 連城三紀彦 2017/03/15 23:28
宝島社版の9編を読みました。最初の4編までは9点ないし10点の手応えを感じていたんですが、5編目の表題作であれ?という感じになりました。いわゆる叙述トリックものですが、人物誤認のさせ方が強引です。あんな書き方をしたらそれはみんな騙されるでしょう。「代役」もどんでん返しを狙いすぎて設定や展開に無理が生じています。あの男のどこにそんなにモテる要素があるのかが分かりませんでした。「ベイ・シティに死す」の恭子は何がしたいのか。この短編集で最も腹立たしい人物でした。ラストの「ひらかれた闇」は入れなくてよかったのでは。何か色々と痛々しかったです。
短編集全体の感想は、同じようなテイストの話が多いということです。ほぼ全ての話に「入れ替わり」が出てきます。中でも「奇妙な依頼」「二重生活」「代役」は着想がほぼ一緒のように感じました。ただでさえ複雑な話ばかりなのに、同じようなオチが続いて後半は段々と読むのがしんどくなっていきました。前半9点、後半7点でトータル8点といったところでしょうか。もう少し全体の緩急が欲しかったです。やはり「戻り川心中」には及ばないのではないでしょうか。

No.149 7点 ジェゼベルの死- クリスチアナ・ブランド 2017/02/20 18:21
終盤に嘘を付く登場人物が続出して訳が分からなくなります。
読み終わって思うのは、「あれ?赤騎士は結局誰だったの?」ということ。
各人の証言のどこまでが本当でどこからが嘘かがはっきりしないから混乱します。
ちょっと説明不足です。
あと、女流作家であれば男女の情愛をもっと深く描いてほしいと思いました。
パーペチュアの故ジョニイへの思いがあまり感じ取れません。

No.148 6点 パラレルワールド・ラブストーリー- 東野圭吾 2016/06/24 21:19
タイトルの付け方絶対間違ってると思う。
内容は未来版の「こころ」と言ったところでしょうか。

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